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『ロッキー・ホラー・ショー』に出演!昆夏美インタビュー(上)

作品のなかで大きく動く役柄の変化を表現したい

橘涼香 演劇ライター


 1973年の舞台初演からまもなく50年、未だカルト的⼈気を誇りファンを熱狂させ続けるロックミュージカルの⾦字塔『ロッキー・ホラー・ショー』が、5年ぶりに河原雅彦・演出、古田新太・主演で開幕した。2017年上演版で2011年版から6年ぶりに復活した古⽥のフランク・フルターを、いのうえひでのりからバトンを受け取った河原が演出を担当。振付をMIKEY(from 東京ゲゲゲイ)が⼿がけ、訳詞・音楽監督のROLLYを中⼼としたライブ感溢れる演出で、“河原版『ロッキー・ホラー・ショー』”が見事に生まれ出た。

 今回はそのバージョンの5年ぶりとなる上演で、3度目のフランク・フルター役を演じる古田は、この公演での卒業を発表。客席全体で作品世界を作り上げる『ロッキー・ホラー・ショー』が、歓声をあげることが難しいコロナ禍において、どう構築されるのか。感染対策を講じながら様々なグッズも用意されるなか、小池徹平、ISSA、フランク莉奈、峯岸みなみ、東京ゲゲゲイ、武田真治、ROLLY、岡本健一らが名を連ねる豪華な布陣にも注目が集まっている。

 そんな公演で、作品中劇的に変化していくジャネット役に扮し、初登場する昆夏美が、様々なチャレンジを続ける刺激的な稽古場で感じる想いを語ってくれた。

まず思いっきりやってみないといけない現場

昆夏美=岩田えり 撮影拡大昆夏美=岩田えり 撮影

──お稽古たけなわと伺っておりますが、今の稽古場の様子から教えていただけますか?

 一度通し稽古は終わっていて、今日(※取材は2021年年末)は2回目の全幕通し稽古なんですね。今回はフランク莉奈ちゃんと峯岸みなみちゃんと私の3人が初参加で、あとの方々皆さんが既にこの作品をやられているというのが、すごく大きいことだと思うんです。やはりお客様が入ってはじめてわかること、見えることもあるでしょうし、そこに3人で入っていって、どんな空気感や、温度感で演じるのか?が、手探り状態で今ももがいています。色々とトライしてはやりすぎだと言われたり。

──やりすぎと言われるんですか?

 そうなんです(笑)。皆さんがあまりにもすごくて、作品の空気やキャラクターの雰囲気から、本当に良い塩梅のはみ出さないところで、思いっ切りやられているので、自分もその空気に乗らなければ!と思ってやると、それは良い塩梅を超えてしまっているよ、やりすぎだよ、と言われて。でもその良い塩梅ってどこなんだろうというのがそもそもあるので(笑)、これはもう思いっきりやってみる、まず出していかないと駄目な現場だなと思っているんです。再演組の方々が縦横無尽に表現してくださるからこそ、自分もやらなければいけないというモードにさせてくれる現場なので、一生懸命波に乗らなければと思ってもがいているところです。

昆夏美=岩田えり 撮影拡大昆夏美=岩田えり 撮影

──公式サイトのコメントムービーで、最初は、正直少しわかりにくいところもあったとおっしゃっていましたが、通し稽古まで進まれている今、改めて発見したもの、作品の魅力などはあります?

 今まで自分がやってきた作品は、グランドミュージカルと言いますか、ドラマの流れがちゃんとあって、役の見せ場があって、作品の流れに乗っていれば自ずと感情も動いていくものが多かったのですが、今回は、もちろん作品の流れもありますけれど、それ以上に玉手箱みたいな、皆が色々な技を出してくる、今まで自分がやってきた役や作品とは全く違うテイストの作品なので、さっきも申し上げた通り、出せばいいというものでもないんですね。

 演出の河原雅彦さんが「この作品はお祭りです」とおっしゃっているのですが、全体が把握できたからこそ、そのお祭り感をあくまでも強調していくのか、でも物語はあるわけですから芝居の部分はしっかり持っているべきなのか、そのどちらのテイストに行くのが自分の居所としてはいいのか?というところを、今模索している最中です。

◆公演情報◆
パルコ・プロデュース2022 『ロッキー・ホラー・ショー』
大阪:2022年1月21日(木)~1月23日(日) 森ノ宮ピロティホール※公演終了※
広島:2022年1月29日(土)~1月30日(日) 上野学園ホール※公演終了※
北九州:2022年2月4日(金)~2月6日(日) 北九州芸術劇場・大ホール
東京:2022年2月12日(土)~2月28日(月) PARCO劇場
※神奈川公演は中止になりました。
公式ホームページ

[スタッフ]
脚本・作詞・作曲:リチャード・オブライエン
演出:河原雅彦
翻訳:高橋ヨシキ
訳詞・音楽監督:ROLLY
振付:MIKEY(from 東京ゲゲゲイ)
[出演]
古田新太、小池徹平、ISSA、昆夏美、フランク莉奈、峯岸みなみ、東京ゲゲゲイ、TACCHI、GENTA、P→★、UFO、武田真治、 ROLLY、岡本健一 ほか


〈昆夏美プロフィル〉
2011年『ロミオ&ジュリエット』ヒロイン・ジュリエット役に抜擢されてプロデビュー。その類まれな歌唱力を武器に、その後も、「ハムレット」オフィーリア役など大作で次々にヒロインを務める。近年の主な舞台出演作に、『ドッグファイト』、『The Last 5 Years』、『マリー・アントワネット』、『⼈類史』、『星の王子さま』、『ロカビリー☆ジャック』、『レ・ミゼラブル』、『アダムス・ファミリー』などがある。7月から、ミュージカル『ミス・サイゴン』への出演が決まっている。
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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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