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矢田悠祐インタビュー(上)、舞台『僕はまだ死んでない』出演

生死の境をさまよう主人公とその親友の二役を演じる

大原薫 演劇ライター

 舞台『僕はまだ死んでない』に矢田悠祐が出演する。2021年「VR演劇」と銘打ってVR版が製作・発表され、今回改めて、演劇作品として劇場公演となる。

 病に倒れ、体が動かせず意思の疎通が取れない白井直人が主人公。「もし自分の大事な人が、あるいは自分が生死の境をさまよう事態になったら……?」終わりの瞬間を見つめる主人公と彼を取り巻く人々、それぞれに湧き起こる想いを、演劇という体験で今あらためてリアルに感じさせる作品になるという。

 矢田が演じるのは主人公の白井直人と直人の親友・児玉碧。矢田と上口耕平が直人と碧を回替わりで交互に演じるという趣向だ。矢田に話を聞いた。

「もし直人のようになったら?」と自分に置き換えて考えます

矢田悠祐=中村嘉昭 撮影拡大矢田悠祐=中村嘉昭 撮影

――『僕はまだ死んでない』の台本を最初に読まれたときはどう感じましたか。

 この作品が扱っている終末期医療や自分の命の終わりにどう向き合っていくかという問題については、今まではどこか他人事というか、あまり考えたことがなかったんです。僕は今回、寝たきりになっている主人公の直人と、直人の親友で直人の命の問題について向き合わないといけない碧という二つの役を演じるんですが、「自分だったらどうしてあげたいと思うだろう」と考えさせられる作品だなと思いましたね。

――自分に置き換えて考える?

 そうですね、今まで実体験ではこういう機会がなかったので、たとえば「自分の近しい人が直人のようになったら、自分はどう考えるだろう」と考えながら台本を読みました。直人の視点で考えるときは「自分の体がまったく動けない状態になったら、どうしてほしいと思うだろう」と。この作品は現実に近い話で、会話の内容もリアルな掛け合いが多いので、役がどうこうというより、「自分だったら」と考えましたね。

――稽古はどのように進んでいますか。

 今はまだ始まったばかりですが、読み合わせ稽古をして、(原案・演出の)ウォーリー(木下)さんと脚本の広田淳一さんとキャストでディスカッションをしました。今回の台本が今までに見たことがないような形式なんですよ。台詞の中に記号があって「この記号があるところは、相手の台詞の途中から喋り出して」などという指定があるんです。それに慣れるためのワークショップもしました。

矢田悠祐=中村嘉昭 撮影拡大矢田悠祐=中村嘉昭 撮影

――ディスカッションではどんな話を?

 僕は内容に関することよりも、役としての疑問を聞きました。たとえば、碧は直人と血のつながりもなく、似たような感性を持っている同士で幼い頃からずっと一緒にいたのですが、「碧がここまで真剣に直人の治療について考えるモチベーションはどこにあるんですか?」とウォーリーさんや広田さんにお聞きしました。もちろん自分で理由を考えて演じることもできますが、もし最初から考えている設定があるならお聞きした方がいいなと思って。

◆公演情報◆
舞台『僕はまだ死んでない』
2022年2月17日(木)~28日(月) 銀座・博品館劇場
公式ホームページ
公式twitter

[スタッフ]
原案・演出:ウォーリー木下
脚本:広田淳一
[出演]
矢田悠祐、上口耕平、中村静香/松澤一之・彩吹真央


〈矢田悠祐プロフィル〉
2012年、俳優デビュー。同年12月に、ミュージカル『テニスの王子様』7代目青学・不二周助役で注目を集める。最近の主な出演作品は、ミュージカル『GREY』、『GLORY DAYS』、『BARNUM』、『EDGES―エッジズ― 』、『アルジャーノンに花束を』、『ハムレット』など。
今後、4/23~舞台『魔法使いの約束』第3章が控えている。
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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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