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勝村政信・高杉真宙インタビュー(下)、舞台『ライフ・イン・ザ・シアター』

俳優の内幕を描く二人芝居、16年ぶりの再演

大原薫 演劇ライター


勝村政信・高杉真宙インタビュー(上)

「前にご一緒した方とまた共演したい」という思いが頑張る原動力

――勝村さんがご自身を重ねながらロバートを演じる姿を、高杉さんは一緒に演じていてどのようにご覧になっていますか。

高杉:本当に追いつけないというか……、ロバートの台詞も、勝村さんが僕に教えてくださることも、すべてが自分にとっては掛け替えのないもので、大切な時間だなと感じています。ジョンはロバートの言葉をおざなりにしてしまうところもあるけれど、僕は稽古場で勝村さんと一緒に芝居をして、千葉さんに指導していただくという環境が本当に嬉しくて幸せです。しかも、この『ライフ・イン・ザ・シアター』が描く内容で芝居をしていることがとても貴重だし、自分としては「もっともっと」という感覚に陥りますね。

勝村:ライブなんだよね。ジョンと真宙くんが稽古場で同時に同じことをしている。

高杉:さっき勝村さんがおっしゃった「ドキュメンタリー」という表現はとてもしっくりきます。行っていることが役とリンクしていて、それがとても面白いなあと感じています。

勝村政信(左)と高杉真宙=中村嘉昭 撮影拡大勝村政信(左)と高杉真宙=中村嘉昭 撮影

――勝村さんから見て、俳優としての高杉さんはどんな印象ですか。

勝村:最初に共演したときは小学生だったの?

高杉:中学2年生です。

勝村:真宙くんが中2のときから知っているんですが、あのとき真宙くんは倉本聰さんの作品(『學』)の主役だった。倉本さんが何年もあたためていた作品に主演をするというのは、神に選ばれたようなものですから。当時は本当に透き通るような美しさがあったけれど、今会っても本当にきれいに成長している。いわゆる「持ってる」人だし、それにプラスして実力もあるから、こうやって俳優を続けてこられるんだなと思います。

高杉真宙=中村嘉昭 撮影拡大高杉真宙=中村嘉昭 撮影

――高杉さんから見て勝村さんは俳優さんとしてはどんなご印象ですか。

高杉:本当に素敵ですね。幼い頃は将来の不安というか、俳優を続けるかどうかもわからなったけれど、「前にご一緒した方とまた共演したい」というのが頑張る原動力になっていたんです。だから、こうして再度お会いできたことが本当に嬉しいです。ご一緒して本当に「すごい」と思うことばかり。今までは学校でも先輩でも、直接教わるというよりは見て学ぶことが多かったのですが、今回は二人芝居ということもあって勝村さんがいろいろなことを直接教えてくださいます。僕にとっては唯一無二の先輩ですね。

勝村:今のところ、太字で書いていただけますか(笑)。

学ぶ者がいないと教えられない

勝村政信=中村嘉昭 撮影拡大勝村政信=中村嘉昭 撮影

勝村:日本の演劇は体育会系的なところが残っていて、「先輩が教えてやる」みたいな形になることもあるけれど、学ぶ者がいないと教えられないんです。僕らも若い人たちからいろいろなものを教えてもらっている。今回も真宙くんと一緒に演じていて、僕が説明できるのは経験値として知っていることだけなんですよね。真宙くんが表現する様々な素晴らしいものから学ばせてもらっているし、多分その逆もある。お互いに良い化学反応になっているんじゃないかと思いますね。『ライフ・イン・ザ・シアター』は今回で上演が3回目なんでしょう?

高杉:そうです。

勝村:初演は石橋蓮司さんと堤真一さん、再演は市村正親さんと藤原竜也さんという素晴らしい方々が演じてらっしゃいますが、それぞれのパートナーによって全然違うものになっています。今回は千葉さんがうまくコントロールして優しく助言をしてくれるので、僕らの芝居もどんどん変わっていっているし、この3人の関係性がとてもいいなと思う。僕も長く芝居をやっていますが、、稽古場に行くのがつらくない。(笑)

高杉:そうですね、とても心地がいい。でも、「作り上げていくんだ」という感覚が強いなと思います。

勝村:若い頃はピリピリした現場ばっかりだったからさ(笑)。

高杉:はい(笑)。

勝村:今回は良い意味でリラックスして臨めていますね。

勝村政信(左)と高杉真宙=中村嘉昭 撮影拡大勝村政信(左)と高杉真宙=中村嘉昭 撮影

――二人芝居の経験は?

高杉:初めてです。

勝村:僕は割とやっていますね。今回で4回目かな。

◆公演情報◆
『ライフ・イン・ザ・シアター』
東京:2022年3月3日(木)~3月13日(日) 新国立劇場小劇場
大阪:2022年3月19日(土)~3月21日(月・祝) サンケイホールブリーゼ
広島:2022年3月24日(木) 広島 JMSアステールプラザ大ホール
福岡:2022年3月26(土)~3月27日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
札幌:2022年4月2日(土)~4月3日(日) 道新ホール
金沢:2022年4月10日(日) 北國新聞 赤羽ホール
公式ホームページ
公式Twitter
[スタッフ]
脚本:デヴィッド・マメット
翻訳:小田島恒志
演出:千葉哲也
[出演]
ロバート:勝村政信/ジョン:高杉真宙


〈勝村政信プロフィル〉
ニナガワ・スタジオを経て1987年に劇団「第三舞台」に入団。以来1992年に退団するまで主要メンバーとして活躍する。現在では舞台以外にもテレビドラマや映画など数々の映像作品に出演。名バイプレイヤーとしても活躍の幅を広げる。近年の主な出演作に、『罪と罰』、『Defiled-ディファイルド-』など。
★公式ホームページ


〈高杉真宙プロフィル〉
2009年より俳優活動をスタート。映画「カルテット」(2012年)にて初主演を務める。映画「ぼんとリンちゃん」(2014年)にて第36回ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞、映画「散歩する侵略者」(2017年にて第72回毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞を受賞、2018年に主演した映画「笑顔の向こうに」では、第16回モナコ国際映画祭でエンジェルピースアワード最優秀作品賞を受賞した。近年ではジャンルに縛られず数多くの話題作に出演している。
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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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