メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

古川日出男が考える、11度目の「3・11」と福島

どうして「怒」と「涙」だけ? 東京で暮らす「当事者」の私

古川日出男 小説家

選択される「怒」と「涙」、その先は

 どうして被災地のニュースが流れると、そこにいる〈被災者〉たちは暗い顔ばかりしていて、とりわけ映像のハイライトでは「怒る」「涙する」ということをするのか? そういう映像がまさにハイライトとして〈選択〉されているからだ。

 このことは、善意にもとづいている。

・・・ログインして読む
(残り:約2065文字/本文:約2976文字)


筆者

古川日出男

古川日出男(ふるかわ・ひでお) 小説家

1966年生まれ。1998年、長篇小説『13』でデビュー。『アラビアの夜の種族』(2001年)で日本推理作家協会賞と日本SF大賞を受賞。『LOVE』(05年)で三島由紀夫賞、『女たち三百人の裏切りの書』(15年)で野間文芸新人賞、読売文学賞。他に『サウンドトラック』(03年)、『ベルカ、吠えないのか?』(05年)、『聖家族』(08年)、『南無ロックンロール二十一部経』(13年)など。11年、東日本大震災と原発事故を踏まえた『馬たちよ、それでも光は無垢で』を発表、21年には被災地360キロを歩いたルポ『ゼロエフ』を刊行した。『平家物語』現代語全訳(16年)。「群像」で小説『の、すべて』連載中。「新潮」(2022年4月号)に戯曲『あたしのインサイドのすさまじき』を発表した。新刊『曼陀羅華X』(新潮社、3月15日刊行)。音楽、演劇など他分野とのコラボレーションも多い。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

古川日出男の記事

もっと見る