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人形浄瑠璃の地へ【島根編】最古の形を残す益田の糸操り

海の上の神社、「ご神体=人形」に思いをはせる

玉川奈々福 浪曲師

 人形浄瑠璃の盛んな徳島県への旅に続き、島根県へ。益田市で歴史ある糸操り人形芝居と出会います。徳島の旅の様子はこちら。

瓦の美しい芸術文化センターへ

 2月22日。羽田を飛び立った飛行機は、午前中のうちに萩・石見空港に到着しました。

 目的地は、益田市の島根県芸術文化センター グラントワ。

特産の石州瓦がふんだんに使われた美しいグラントワの建物の概観(左)と内部=島根県益田市

 公演は翌23日。前日に乗りこんだのは、益田市に伝わる「益田糸操り人形」の稽古場を見学させてもらうためでした。

 まずは、翌日の公演場所であるグラントワへ向かい、現地の舞台の設営や、当日の流れなどの打ち合わせ。お昼ご飯を食べたあと、糸操りの稽古場……に行くにはちょと早い。

 「人形」と、七福神の「恵比寿」には深い、ふか~いつながりがあります。

 それを話しはじめると、とっても長くなっちゃうので、深いつながりがある、ということだけ申し上げておいて、つまりは、人形浄瑠璃のある益田にも、恵比寿神社があるんじゃないかと思って地図を見ると……あった!

地図には「衣毘須神社」の文字が
 「衣毘須神社」と、文字が違うけれど(こっちの文字のほうがずっと怪しげ……)、同じ発音の神社が、なんと、海の上にあるではないですか!

 ……え? 海の上に???

 ここ、行きたい!

 グラントワの担当の方にお願いして、車を走らせてもらいました。

荒波の中に「衣毘須神社」が見えた

 窓の外は冬の日本海。曇天の下、さまざまな青が入り混じり、風にあおられて激しく砕け散っています。

 海岸近くの駐車場で車を降り、みぞれ交じりの中を、衣毘須神社めがけて、速足で歩きます。

 「見えた!」

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