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野村萬斎ラストメッセージ【下】――目指してきた劇場のレパートリー

シェイクスピア、『敦』、そして大作『子午線の祀り』へ

野村萬斎 狂言師

劇場は「生きている」と実感する場所

 20年の間には、いくつもの災害がありました。

 2021年の東日本大震災の時は、いつ余震が起こるか分からないので、もし強い揺れがきたら、お客様をどう避難誘導するかなどを、改めて劇場全体で考えました。また、電力不足が心配されたので、とにかく電気を使わないように、というので、ロウソク一本立てて「解体新書」をやったことも思い出します。能・狂言では、かがり火で上演する「薪能」や、能楽堂でろうそくの灯りで演じる「蝋燭能」がありますから、すぐそういうふうに頭がシフトしました。

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筆者

野村萬斎

野村萬斎(のむら・まんさい) 狂言師

1966年生まれ。父は人間国宝の野村万作。3歳で「靱猿」子猿役で初舞台。東京芸術大学卒。古典狂言に加え、新作狂言、現代演劇など多彩な作品で、国内外の舞台に立ってきた。ドラマや映画『陰陽師』などでも人気を集める。2002年から22年3月まで、世田谷パブリックシアター芸術監督。03年芸術選奨文部科学大臣新人賞。06年『敦―山月記・名人伝―」で紀伊国屋演劇賞個人賞、朝日舞台芸術賞。17年の新演出『子午線の祀り』では読売演劇大賞最優秀作品賞、毎日芸術賞千田是也賞。21年石川県立音楽堂邦楽監督に就任、公益社団法人全国公立文化施設協会会長。22年観世寿夫記念法政大学能楽賞、松尾芸能賞・大賞。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです