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『銀河鉄道999 THE MUSICAL』に出演!三浦涼介インタビュー(上)

色々な要素を持ったキャプテン・ハーロックを演じたい

橘涼香 演劇ライター


 松本零士の不朽の名作として愛され続ける「銀河鉄道999」が本格ミュージカルとして生れ出る『銀河鉄道999 THE MUSICAL』が、東京・日本青年館ホールで上演される(4月8日~18日)。

 「銀河鉄道999」は、人類が肉体を機械に替えることで永遠の命を手に入れているものの、貧しき者たちは高価な機械の身体を買えずに虐げられている未来社会を舞台に、母を機械伯爵に殺された少年・星野鉄郎が、謎の美女メーテルと共に、機械の身体を無料でくれるという星を目指して銀河鉄道999に乗り込み、限りある命の尊さを学んでいく物語だ。2018年に銀河鉄道999 40周年記念作品 舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~、2019年に銀河鉄道999 劇場版公開40周年記念作品 舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠として舞台化されているが、いよいよ本格ミュージカル作品として上演されることになった。

 そんな『銀河鉄道999 THE MUSICAL』で主人公・星野鉄郎の成長に欠かせない存在である、宇宙海賊キャプテン・ハーロックを演じる三浦涼介が、新たな舞台に向けた思いを語ってくれた。

SFでありつつとても人間くさい作品だなと

三浦涼介=宮川舞子 撮影拡大三浦涼介=宮川舞子 撮影

──『銀河鉄道999』という作品との出会いから教えていただけますか?

 小さい頃からあまりアニメや漫画は見ない方だったので、とても有名な作品ですから、もちろんタイトルなどは存じ上げていましたが、正直深く知っているとは言えない状態でした。ですからこのお話をいただいて、作品の歴史をまず知っておきたいと思い、アニメや原作漫画を拝見していきました。

──ではキャプテン・ハーロックを演じるとわかってから作品世界に深く入って行かれたのですね?

 そうなると思います。

──その中で、今回の台本を読まれた印象はいかがでしたか?

 作品の上演が決まっていたこの時期に、現実世界で戦争が起きるという状況が重なってしまい、非常に複雑な感情も生まれているのですが、作品として純粋に考えた時に、人生に対してどう向き合っていくのか。どんどん便利になっていくこの世の中の流れが、果たして本当に良いのか?というところにもつながっていく物語だなと思いました。最終的に主人公の鉄郎が機械の体を選ばずに、限りある命の肉体を選択していく。そこに人間への愛情や、人としての努力もすごくあって、彼が一人前の男になっていく姿が描かれる。ジャンルはSFですが、とても人間くさい作品だなと思います。もちろんこの世界観独特のワードも出てはきますが、それは演じる上で自分に落とし込んでいけばいいことなので、初めて読んだ時からスッとのめり込むことのできた台本でした。

──現実社会のなかでも人力でやっていたものが機械化されていくスピードが目に見えて増えてきて、よりテーマも身近になってきているのかなと。

 そうなんですよね。もちろん僕らもそれを利用して助けられているし、とてもありがたいのですが、じゃあ自分自身が機械の身体になって永遠に生き続けていく、ということとはやっぱり全く異なると言うか、それが果たして幸せなのか?と考えさせられるものが多いんです。例えば僕は台本を読んでわからない言葉があった時には、辞書を引いて調べます。それは僕らの世代は子どもの頃からやってきたことだから、当たり前のようにしているけれども、いまは携帯電話ひとつで全てが出来てしまう。手紙も僕は書くのも読むのもとても好きですが、手軽で早いということならばメールがいいですよね。でも便利になった分言葉の大切さ、重みが変わってきているのかなと危惧する時も正直あります。これはもう人それぞれの考え方なので、あくまでも僕がそう感じるということなのですが、そういう色々な捉え方のできる作品だなと思います。

◆公演情報◆
『銀河鉄道999 THE MUSICAL』
東京:2022年4月8日(金)〜18日(月) 日本青年館ホール
公式ホームページ
公式Twitter
[スタッフ]
原作:松本零士
脚本・作詞:高橋亜子
演出:小山ゆうな
音楽監督:ミッキー吉野(ゴダイゴ)
[出演]
中川晃教(星野鉄郎)
花總まり(メーテル)
佐藤流司(機械伯爵)
梅田彩佳(クレア)
徳永ゆうき(車掌)
藤岡正明(大山トチロー)
矢沢洋子(リューズ)
松本梨香(プロメシューム)
北翔海莉(クイーン・エメラルダス)
三浦涼介(キャプテン・ハーロック)
ほか


〈三浦涼介プロフィル〉
2002年に俳優デビュー後、『仮面ライダーオーズ』シリーズで人気を博し、『るろうに剣心』など多くの映像作品に出演。歌手としても活躍するほか、『1789 -バスティーユの恋人たち-』、『ロミオ&ジュリエット』、『エリザベート』、『マタ・ハリ』など、ミュージカル作品に数多く出演し高い評価を得ている。
★公式サイト
★公式twitter
★公式instagram

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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