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愛子さま“絶賛会見”に「女性宮家」「女性天皇」の言葉がなかった意味

矢部万紀子 コラムニスト

 天皇、皇后両陛下の長女愛子さまの記者会見が、絶賛されている。3月17日、成年皇族として臨んだ初めての会見。その素晴らしさを、例えば共同通信「47NEWS」はこんな見出しで伝えた。

 <感受性と文才、東大も狙えた愛子さまの「資質」 15年見続けた記者、圧巻の会見に抱いた深い感慨>(2022年3月30日)

 執筆した大木賢一記者は2006年から宮内庁を担当したそうで、リードにこう書いている。

 <穏やかでにこやかな話しぶりと、あらゆる人々に心を配る言葉の選び方、そしてにじみ出る気品に、15年以上愛子さまを見続けてきた記者として、深い感慨を持った。「これほど立派な大人の女性に成長されたのか」というのが率直な気持ちだ。幼少の頃「決して笑わない」とも言われた女の子が、ここまで見事な会見を実現させるに至った道のりを思わずにいられない>

 06年、皇太子ご一家(当時)はオランダを訪問した。ベアトリックス女王の隣で愛子さまがはしゃいで笑う写真が、公表された。「珍しい」とニュースになった。だから大木氏の感慨は、多くの国民が共有するものだろう。

成年皇族として初めての記者会見に臨んだ天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2022年3月17日、皇居・御所「大広間」、代表撮影拡大成年皇族として初めての記者会見に臨んだ天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2022年3月17日、皇居・御所「大広間」、代表撮影

 個人的に一番印象に残ったのは、小室眞子さんについて愛子さまがたくさん話したことだった。具体的な思い出を重ね、最後にこう述べた。「幼い頃から、いつも変わらず明るく、優しく接していただいたことを有り難く思うとともに、従姉妹として、末永いお幸せをお祈りしております」。眞子さんへのエールだと思った。

 秋篠宮家=バッシングし放題。昨今の皇室をめぐる状況だ。悠仁さまの中学の卒業式が愛子さまの会見と同じ日だったことさえ、一部では秋篠宮家叩きの材料となった。だからだろう、西村泰彦宮内庁長官は3月24日の定例会見で、「ちょっと私のミスというか。別な日がよかったかなと個人的には思う」と語った。

 問題の深刻さが表れている。だから愛子さまの眞子さんへの言葉はエールであると同時に、秋篠宮家叩きと一線を画す意志の表明だとも感じた。愛子さま、りりしい。

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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