メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

砂川脩弥インタビュー(上) 『FLOWER DRUM SONG』出演

切ないドラマに華やかなショーアップが加わった

橘涼香 演劇ライター


 1940年代~50年代の「ミュージカル黄金時代」に、『サウンド・オブ・ミュージック』『王様と私』をはじめ日本でも愛され、長く上演が続いている数々の名作を生み出した作曲家のリチャード・ロジャースと、作詞家・脚本家のオスカー・ハマースタイン2世。「ロジャース&ハマースタイン」と呼ばれる名コンビが生み出し、1958年にブロードウェイで初演された『FLOWER DRUM SONG』。

 サンフランシスコのチャイナタウンを舞台に、ショービジネス界で生きる人々を描いたアジア系俳優がメインキャストのこの作品は、1961年にはミュージカルを基にした映画化もされるヒット作品に成長。2002年には、トニー賞受賞作家デビット・ヘンリーファンによるリバイバル版が上演され好評を博した。

 そして2022年、リバイバル版日本初演の舞台が4月23日~27日東京・日本青年館ホール、4月29日~30日大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。

 そんな待望の舞台で、桜井玲香演じるヒロインのメイ・リーに真っ直ぐな思いを寄せる青年チャオを演じる砂川脩弥が、自身初となるミュージカル作品への出演に懸ける思いを語ってくれた。

ここまで好きな人にストレートな人ってあまりいない

砂川脩弥=宮川舞子 撮影
拡大砂川脩弥=宮川舞子 撮影

──リバイバル版日本初演となるミュージカル『FLOWER DRUM SONG』ですが、お稽古場の雰囲気はいかがですか?

 音楽に精通している人たちが多いなというのをすごく感じる稽古場です。この作品に対しての熱い気持ちや、とてもストイックなものが伝わってくるので、ミュージカル作品に初めて参加させてもらう僕にはプレッシャーでもあるのですが、同時に頑張らなければ!という気持ちにもさせてもらえる現場です。

──そのなかで、改めて作品についてはどんな印象や魅力を感じていらっしゃいますか?

 僕はまずドラマ部分には切なさや、悲しさもあるなと感じていたのですが、例えばプロローグだけでも、音楽や振り付けがダイナミックで心が躍る、ずっとワクワクできる作品だなと思いました。ミュージカルと言っても色々な作品がありますが、クラシカルなものなので、ミュージカル・ナンバーがすごく華やかだなと思います。

──確かにミュージカルの歴史のなかでは古典とも言える作品ですものね。ご自身が演じるお役柄についてはいかがですか。

 僕はチャオ・ハイ・ラン役を演じますが、僕が持っていないまっすぐさみたいなものをすごく感じました。ここまで好きな人に対してストレートな人って、多分あまりいないんじゃないかなと思うんですよ。良い意味でも悪い意味でも現実逃避をしない、自分が置かれている現状をちゃんと見ている人ですね。

砂川脩弥=宮川舞子 撮影
拡大砂川脩弥=宮川舞子 撮影

──そういう青年を演じるにあたって、ここを大切にしたいですとか、ここがポイントだなと思われているところは?

 僕はこれまでクールな役をやらせてもらうことが多かったので、まず役作りとして台詞も低い声で話すことがほとんどでした。でも今回のチャオに関しては、これまでよりも二段くらい明るく話すことを意識してやろうかなと思っています。

──声のトーンをあげるということですか?

 声を高くするということもそうなんですけれども、その為にまずテンションをあげないといけないなと思います。

──あぁ、なるほど!

 そこがまずチャオの入り口としてあるんじゃないかと思っていますが、まだ僕は皆さんとお芝居の稽古ができていなくて(※取材は3月末)振付には参加していますが、台詞は読み合わせをしただけなので、細かくはこれからの稽古のなかで、演出の上島雪夫さんや共演の皆さんと一緒に深めていきたいです。

◆公演情報◆
『FLOWER DRUM SONG』
東京:2022年4月23日(土)~27日(水) 日本青年館ホール
大阪:2022年4月29日(金)~30日(土) 森ノ宮ピロティホール
公式ホームページ
公式twitter
[スタッフ]
作曲:リチャード・ロジャース
作詞:オスカー・ハマースタイン2世
脚本:デビッド・ヘンリー・ファン
原案:オスカー・ハマースタイン2世、ジョセフ・フィールズ
原作:C. Y. リー
演出・振付:上島雪夫
[出演]
古屋敬多(Lead)、桜井玲香
フランク莉奈、砂川脩弥、泰江和明
八十田勇一、彩吹真央
石井一孝 ほか
〈砂川脩弥プロフィル〉
 幼少期から地元沖縄にて芸能活動を始め、2016 年、GirlsAward×avex「BoysAward Audition」にてBoysAward賞を受賞後、上京し本格的に芸能活動を始める。2019年、「仮面ライダーゼロワン」にてテロリスト『滅亡迅雷.net』の司令塔、滅/仮面ライダー滅役を演じ注目を集める。主な舞台出演作品は、『sweet pool』『GARNET OPERA』、『ROOKIES』など。夏には、舞台『弱虫ペダル』The Cadence!への出演が決まっている。
公式ホームページ
公式twitter

・・・ログインして読む
(残り:約1091文字/本文:約3139文字)


筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

橘涼香の記事

もっと見る