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【公演評】星組『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人』『Gran Cantante!!』

あの少年の10年後は? ショーでは情熱的に歌い踊って、礼真琴が華麗に七変化

さかせがわ猫丸 フリーライター


 星組公演ミュージカル・エトワール『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』、レビュー・エスパーニャ『Gran Cantante(グラン カンタンテ)‼』が、4月23日、宝塚大劇場で初日を迎えました。

 この作品は、2011年に上演された柚希礼音さん主演『めぐり会いは再び』、翌年の『めぐり会いは再び 2nd ~Star Bride~』に続くシリーズ第3弾で、主演のトップスター礼真琴さんが、前作で演じた伯爵家の次男ルーチェをそのまま演じるのがみどころです。トップ娘役舞空瞳さん演じるガールフレンドのアンジェリークと気持ちがすれ違うことから生まれるラブコメディを、春の陽気にふさわしく、明るさいっぱいに描きました。

 ショーはレビュー・エスパーニャ『Gran Cantante(グラン カンタンテ)‼』。「素晴らしい歌い手」を意味するそうですが、スパニッシュダンスを情熱的に踊り、客席を圧倒する礼さんには「素晴らしい踊り手」の意味も加わりそうです。

 また、ひな鳥たちたちが大空にはばたく、第108期初舞台生のお披露目公演でもあります。春の陽気にもふさわしく、フレッシュな輝きがあふれた舞台となりました。(以後、ネタバレがあります)

思わず応援したくなる礼

『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人』公演から、礼真琴=岸隆子 撮影拡大『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人』公演から、礼真琴=岸隆子 撮影

 ルーチェは黄色を基調にした衣装で、ブロンドの髪に垂らした小さな三つ編みがチャームポイント。10年前の雰囲気そのままで、可愛い少年が立派な青年に成長していることに、思わず感慨深くなります。オープニングは登場人物勢ぞろいで、明るいナンバーにさっそく気分が盛り上がります。

――ルーチェ(礼)は大学卒業後、定職にもつかず、友人レグルス(瀬央ゆりあ)の探偵事務所に居候している。ガールフレンドのアンジェリーク(舞空)とも喧嘩ばかりで、無為な毎日を送るばかりだ。ここにはほかに、女優の卵ティア(有沙瞳)、劇作家セシル(天華えま)、自称発明家アニス(水乃ゆり)も常にたむろし、大学の同級生5人が長すぎるモラトリアムに浸っているのだった。

 そんなある日、王家の使いアージュマンド(瑠璃花夏)がやってきた。大怪盗ダアトから、コーラス王家の秘宝“一角獣の聖杯”を奪うと予告状が届いたいう。王家の跡継ぎの証である聖杯は、花婿選びを勝ち抜いた者に与えられる。そこで、爵位を持つルーチェに花婿候補として侵入調査を依頼したいというのだ。多額の報酬に目がくらんだレグルスは、ルーチェの拒否も聞かず、参加を約束してしまう。

 ルーチェは、一言でいえば“煮え切らない男”。アンジェリークが好きなくせに素直になれず、「オレについてこい」なんて口が裂けても言えません。それは幼い頃の後悔の記憶があったからなのですが、女性から見るとかなりもどかしいタイプかも。それでも困難にぶつかりながら、やがては勇気をふりしぼりますが、たまにのぞく気弱さがいじらしくて、つい応援してしまいたくなります。礼さんが持つ本来のキュートさを等身大で生かしたルーチェは、ちょっと面倒くさいけどほっとけなくて、とにかく可愛い。本当はこんな礼さんが見たかったと思った方も少なくないのでは⁉

 これまでシリアスな役が多かった礼さんは、国の運命を背負ったり、命を賭けたりしがちでしたが、今回はようやくコミカルでハッピーな作品がやってきました。

◆公演情報◆
『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人』
『Gran Cantante!!』
2022年4月23日(土)~5月30日(月) 宝塚大劇場
2022年6月18日(土)~7月24日(日) 東京宝塚劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人』
作・演出:小柳奈穂子
『Gran Cantante!!』
作・演出:藤井大介

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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