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コロナ禍をはね返した春、舞台に映る高校生たちの今

高校演劇「春フェス」報告【上】

工藤千夏 劇作家、演出家

 コロナに日常を縛られるようになって2年余り。高校生たちは学校生活の大半を、あるいは入学してからの全ての時間を、制約の中で過ごしています。彼・彼女らの思いが投影される表現の一つである「高校演劇」。そこに見える高校生たちの「現在地」は。全国から選ばれた10校が参加した春季全国高等学校演劇研究大会(通称「春フェス」、2022年3月に大阪で開催)を通して、劇作家の工藤千夏さんが見つめました。

拡大高校演劇「春フェス」生徒交流会の客席=2022年3月、大阪府富田林市、森智明撮影、大阪府高等学校演劇連盟提供

2021年度もコロナに振り回された

 春フェス大阪大会で上演された作品を語る前に、2021年度の高校演劇を振り返りたい。

 学校生活において密を回避するための取り組み(短縮授業、分散登校)が必要な状況下、部活動は当然のごとく規制の対象となる。2020年3月の全国一斉休校のような大なたぶるいとは異なる、別の理不尽さを感じざるを得ないケースも多かった。

 高校生のための感染防止対策は地域によって発令元も内容が違うため、コンクール、フェスティバル、講習会、自主公演が実施か中止か、延期か、どのようなやり方なら実施可能か、それぞれ異なる状況が生まれてきた1年であった。

 多くの公立高校では、部活動は原則禁止、あるいは週3回までならオーケー等の制限と解除が繰り返されてきた。コンクール(運動部の場合は公式試合など)も「原則禁止」「慎重な判断の上参加可能」「上位大会につながる県大会への参加や大会前の活動は、一部制限しながら実施可能」……と、感染者数や病床逼迫度の変化で揺れる。一方、私学は学校長の判断で、制限を設けない学校も多かった。

高校演劇の1年
 全国高等学校演劇協議会(高演協)に加盟する約2000校の演劇部は、毎年夏から翌年春にかけて、地区大会 → 都道府県大会 → ブロック大会(全国8ブロック)と選考を重ね、夏に「全国高等学校総合文化祭(総文)」の一環として開催される全国大会を目指す。夏の全国大会の他に、各ブロック大会で選ばれた学校などが参加する「春フェス」が毎年3月に開催される。高校野球でいうとセンバツのような位置づけだ(ただし、春と夏両方への出場はない)。

工藤千夏さんによる昨年の「春フェス」レポート 【1】【2】【3】

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筆者

工藤千夏

工藤千夏(くどう・ちなつ) 劇作家、演出家

ニューヨーク市立大学大学院演劇科修士課程修了。1992年「青年団」入団、2003年より演出部に所属し「うさぎ庵」を主宰。代表作に『コーラないんですけど』、『真夜中の太陽』(原案・音楽:谷山浩子)など。青森市を拠点にする劇団「渡辺源四郎商店」のドラマターグ。日本劇作家協会評議員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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