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アジア初!舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表レポート!

7月開幕、舞台へ続く19年後の魔法の世界

橘涼香 演劇ライター


 一世を風靡した大ヒット作品『ハリー・ポッター』シリーズの「8番目の物語」として登場した、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』が、この作品の専用劇場として生まれ変わったTBS赤坂ACTシアターで6月16日~プレビュー公演ののち、7月8日無期限ロングランによる日本初演の幕を開ける。

 舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、「ハリー・ポッター」シリーズの原作者・J.K.ローリング自らが、演出家のジョン・ティファニー、脚本家のジャック・ソーンとともに創作したオリジナル・ストーリー。シリーズとしては8番目の物語であり、初めて“舞台”という手法を使って描かれた、完結した原作小説から19年後を描いたハリー・ポッターの新たなストーリーだ。英国演劇界の最高名誉であるローレンス・オリヴィエ賞、やはり米国演劇界最高名誉のトニー賞を含む60以上の演劇賞を世界中で獲得し、演劇作品としてこれまでの常識を覆す記録的な成功を収め、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、メルボルン、ハンブルク、トロントで開幕。東京公演はアジア初、世界で7番目の上演となる。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から=森好弘 撮影

 そんな作品の製作発表が5月17日、作品が上演されるTBS赤坂ACTシアターで行われ、厳しいオーディションを勝ち抜いた日本オリジナルキャストを代表して(※同役キャストはアルファベット順)、ハリー・ポッター役の藤原竜也、石丸幹二、向井理、ハーマイオニー・グレンジャー役の中別府葵、早霧せいな、ロン・ウィーズリー役のエハラマサヒロ、竪山隼太、アルバス・ポッター役の藤田悠、福山康平、スコーピウス・マルフォイ役の門田宗大、斉藤莉生、マクゴナガル校長役の榊原郁恵、高橋ひとみ。そして、現在の稽古を統括している演出補のコナー・ウィルソンが登壇。司会とのトークショーを思わせる、軽妙なやり取りで公演への抱負を語った。

ひと足先に感動を味わった素晴らしい小屋入り

──サンフランシスコ公演の演出も手掛けられたコナーさんですが、およそ1カ月にわたる日本人キャストとの稽古の手応えは?

コナー・ウィルソン(演出補):大変素晴らしいです。僕は世界中でこの作品を手掛けてきましたが、必ずこの作品について新しいことを学ぶんです。正直に申し上げると、この6週間で一生かけても学べないぐらい、ここにいるキャストの方々から多くのことを学ばせてもらっています。この作品はたくさんのニュアンスと大変複雑な構成を含んでいますので、舞台に立つまでには6~7週間かかるんです。この期間稽古をしてきた状態を考えると、東京のお客様にすごく喜んでいただける仕上がりになるんじゃないかと思っています。皆さんと仕事ができることを誇りに思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、演出補のコナー・ウィルソン=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、演出補のコナー・ウィルソン=森好弘 撮影

──ハリー役のお三方から意気込みをお願いします。

藤原竜也(ハリー・ポッター役):4月の頭から始まった稽古が1カ月と少し経ちました。コナーさんをはじめ、優秀なスタッフに導かれながら、僕ら日本人キャストは必死にしがみつき食らいついたひと月強でした。日本の通常の演劇であれば、そろそろ幕が開くという時期なのでしょうが、ありがたくもプレビューも1カ月の期間を取っています。インターナショナルチームが理想とする『ハリー・ポッター』を完成させるために、もうひと月精一杯、共に走りながら頑張っていきたいと思っています。

 昨日、実際僕らも初めて劇場に入ったんですが、皆さんが感じるであろう感動をひと足先に味あわせていただいて興奮しました。稽古場ではできなかった、より本番に向けた精度の高い稽古ができる素晴らしい小屋入りでした。作品のテーマである光を入れるということも含めて、僕らは非常に暗く大変な時代を共有してきましたが、やっぱり日本の演劇にとっても『ハリー・ポッター』という作品が光を入れてくれたらと思いますし、さらに次のステップに行く為に、今日からまた稽古を頑張りたいと思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハリー・ポッター役の藤原竜也=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハリー・ポッター役の藤原竜也=森好弘 撮影

石丸幹二(ハリー・ポッター役):僕はニューヨークでこの作品を見る機会があったんですが、そのときはオーディション前で、こんなにお客さんが盛り上がるショーがあるんだと実感しました。それをやはり実際に皆さんと稽古をしながらまた感じたのですが、特にスタッフチームの力強さとレベルの高さ、色々なチームがありますが、プロの技の競い合いと言いましょうか、彼らの力を借りながら稽古に臨んでいるところです。きっとこれは日本で開幕したら大ブームになるんじゃないかなと思います。この会場に入って、ショーが終わるまで、一瞬で魔法の世界に飛び込めるようになっていますので、僕もそれを表現できるように精一杯頑張っていきたいと思っています。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハリー・ポッター役の石丸幹二=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハリー・ポッター役の石丸幹二=森好弘 撮影

向井理(ハリー・ポッター役):1カ月以上の稽古を重ねてきましたが、稽古場では全く想像できなかったことが劇場ではたくさんできますし、稽古期間はいくらあっても足りないほど深い演劇になっていると思います。そして何よりチームとして、100人近いチームだと思いますが、本当に一丸となって一人ずつ自己紹介をするなど、コミュニケーションが取れたとても良い状態のチームだなと感じております。ロングラン公演で長く続けていくうちに、もっともっと絆は深まっていくだろうと思います。演劇としてはやはり魔法が大きなテーマになりますが、それでも19年後の世界、ハリー、ロン、ハーマイオニーの子供たちが、ちゃんと生身の人間として劇場に立っていられるように、お芝居をしっかり組み立てていかなければと思います。そうすることで、一人の人間として色々と受けとってもらえることがあるんじゃないかと。1回、2回ご覧になっただけではわからない、たくさんの仕掛けと謎が隠されていますので、ぜひ何度も足を運んで細かい部分まで観ていただけたらと思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハリー・ポッター役の向井理=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハリー・ポッター役の向井理=森好弘 撮影

──アルバス・ポッター役、そしてスコーピウス・マルフォイ役の皆さん、今回はキャスト全員がオーディションで選ばれたと伺っていますが、舞台が決まったときのお気持ちや周りの反応を教えてください。

藤田悠(アルバス・ポッター役):僕は大学から演劇を始めて、学生演劇をやっていたのですが、周りは「えー⁉」というような反応でした。ですから、いま学生で演劇を頑張っている人たちを後押しできるような、そんな存在になれるように頑張っていきたいと思いますし、この作品自体やっぱりすごく面白いと感じるので、自分も期待に応える以上のものを出していきたいなと思っています。とても緊張しています。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、アルバス・ポッター役の藤田悠=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、アルバス・ポッター役の藤田悠=森好弘 撮影

福山康平(アルバス・ポッター役):普段のオーディションの結果は電話やメールで教えてもらうことが多いのですが、今回はわざわざ家の前まで来て伝えてくれました。あとは家族、友人が本当にガッツポーズして喜んでくれたり、涙を流して喜んでくれた人もいました。日本中の各地で働いている同級生たちがいるのですが、わざわざ観に来てくれることになっていて、みんなからも応援してもらっているんだなと改めて感じられた瞬間でした。出演できてよかったと思いますし、今日は衣装を着ていないのですが、本当にこんな素晴らしい劇場、衣装、大道具という環境の中で出来るので、良いものをお届けできるように残りの稽古を頑張っていきたいなと思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、アルバス・ポッター役の福山康平=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、アルバス・ポッター役の福山康平=森好弘 撮影

門田宗大(スコーピウス・マルフォイ役):出演が決まったときにはまず母親に電話をしました。「おめでとう」と言ってくれたんですが、そのあと「これで私があなたに貸したお金を返せるね」と言われて、現実に引き戻されました(笑)。でもそんな現実を忘れられるぐらい素晴らしい世界観に入り込んでいて、素敵な日々を過ごさせていただいています。この作品の為に精一杯頑張ります。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、スコーピウス・マルフォイ役の門田宗大=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、スコーピウス・マルフォイ役の門田宗大=森好弘 撮影

斉藤莉生(スコーピウス・マルフォイ役):オーディションで合格して、自分も北海道の大学で演劇をやっていたので、同期や先生、そして地元の稚内にいる友達などにお祝いしてもらいました。特に小さい頃から『ハリー・ポッター』を一緒に映画館に観に行く家族だったので、自分がその世界の一員になれるということに、すごく盛り上がって喜んでくれて、何か恩返しができたかなと思っています。稽古が始まるまでは本当に現実感がなくて、今でもこんなに大きな劇場でやらしていただけるということが、ずっと夢を見ているんじゃないかなと思うんですが、本当に皆さんが優しくて、楽しくて、日々少しでも成長できたらいいなと思いながら一生懸命稽古に取り組んでいます。是非みなさんにも観に来ていただけたらと思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、スコーピウス・マルフォイ役の斉藤莉生=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、スコーピウス・マルフォイ役の斉藤莉生=森好弘 撮影

驚きの数が桁外れの舞台

──マクゴナガル校長役、ハーマイオニー・グレンジャー役、ロン・ウィーズリー役の皆さん、これまでの舞台とはここが違うな、と思うところを是非教えてください。

榊原郁恵(マクゴナガル校長役):一言で言うと『ハリー・ポッターと呪いの子』というこの舞台にかけるスタッフのものすごい愛ですね。世界でずっとやってきていますけれどアジアでは日本が初めてということなので、この作品の素晴らしさを伝えたい、その一員として皆も一緒に頑張りましょう!という愛を感じますし、積み上げていく上でのやさしさも感じます。昨日初めて劇場に来ましたが、そのときにも「まずお客さんと同じ気持ちで舞台に立ってください」と言われて。私達も一瞬にして、まさにスタッフに魔法をかけられました。この感動を今度は私たちがステージの上で皆さんにお伝えしたいと、それを肌で感じさせていただきました。これまで作りあげてきたスタッフさんたちの愛を私たちが受け止めて、それを観客の皆さんにお伝えする。そんな舞台だということが、これまでの舞台との大きな違いです。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、マクゴナガル校長役の榊原郁恵=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、マクゴナガル校長役の榊原郁恵=森好弘 撮影

高橋ひとみ(マクゴナガル校長役):私もオーディションから今日に至るまで毎日が夢のようで、稽古初日から楽しくてワクワクして。そして郁恵さんがおっしゃったように、本当に愛していただいているなと実感できて、丁寧に教えていただいて、とにかく毎日楽しめています。昨日もびっくりするような魔法をたくさん見せていただいて、稽古では見られなかった本物の魔法が見られて、それがまだたくさんあるんだと思うと、本当にワクワクします。この年になってまだこんなにワクワクドキドキさせていただける体験ができるなんて本当に幸せです。命ある限りここにいたいなと思わせてくれる素敵な舞台です。優しさ、ユーモア、全てが私たちにとって幸せな時間です。あとはマクゴナガル校長として皆さんの母であり、居るだけで安心していただけるような存在になれるように頑張っていきたいと思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、マクゴナガル校長役の高橋ひとみ=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、マクゴナガル校長役の高橋ひとみ=森好弘 撮影

中別府葵(ハーマイオニー・グレンジャー役):ひと言でいうとスケールの大きさですね。赤坂ACTシアターをハリー・ポッター専用劇場にまるごと変えてしまうということもそうですし、セットにしても演出にしてもこれまで見たことのないようなものばかりです。無期限のロングランということもそうですし、この作品に携わっている人の数も本当にすごいんです。それほどスケールの大きな作品を日本でやれるということが、これまでもなかったと思いますし、今後もなかなか出会えるものではないと思っているので、日本中の皆さんにこの作品を見て欲しいなという思いが強くあります。私も日本初演に携われることを本当に光栄に思っています。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハーマイオニー・グレンジャー役の中別府葵=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハーマイオニー・グレンジャー役の中別府葵=森好弘 撮影

早霧せいな(ハーマイオニー・グレンジャー役):私が他と違うな、ここがすごいと思うところは驚きの数です。稽古が始まってから、特に魔法の数ですけれども演出も素晴らしくて。その素晴らしい魔法や演出を、この赤坂ACTシアターでお客様と同じように体験し、同じ驚きを体感できる、それくらい何度見てもフレッシュな驚きを与えてくれるので本当に楽しみです。プレビューの初日に向けてブラッシュアップして、その体験を皆さんにお届けできるようにしていきたいと思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハーマイオニー・グレンジャー役の早霧せいな=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ハーマイオニー・グレンジャー役の早霧せいな=森好弘 撮影

エハラマサヒロ(ロン・ウィーズリー役):僕が違うなと思うのは影響力の大きさですね。これまでも舞台にも出させてもらっているのですが、普通、舞台に出ると言うと「出るんですね」ぐらいなのですが、今回は「おめでとうございます」と言われるんですよ。キャスト発表になったときにもSNSでお祝いの連絡がいっぱいきて。エゴサーチしていると「ロンがエハラってマジうける」と書かれていて(笑)。影響力の大きさを感じました。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ロン・ウィーズリー役のエハラマサヒロ=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ロン・ウィーズリー役のエハラマサヒロ=森好弘 撮影

竪山隼太(ロン・ウィーズリー役):皆さんおっしゃるんですけど、今回特にモチベーションの高さを感じます。ここにいる先輩方もそうですし、それこそスイングやアンサンブルのみんなもすごいんですよ。誰かが代わりに入れるようにずっと昼休みも稽古をしていて、ある子が急に「やってみてください」と言われると完璧に演じられる。それに稽古場のみんなが拍手する、素敵なカンパニーだなと思っています。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ロン・ウィーズリー役の竪山隼太=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から、ロン・ウィーズリー役の竪山隼太=森好弘 撮影

──代表して石丸さん、早霧さん、エハラさん、実際に役を演じてみてそれぞれのキャラクターの印象はいかがですか?

石丸:ハリー・ポッターというと映画でずっと見てきたイメージがすごく強いじゃないですか。僕も映画を見ていて、「こういうことなんだな」という思いがあったんですが、今回の戯曲を読むと19年の時が経って、ハリーも大人になっているんです。子どもが3人いて、魔法省の企業戦士でバリバリなんですね。そうすると現実的なことが起こるんだなぁと。子どもは思春期なのですが、思春期の子どもと向き合えないお父さんで。映画の中の世界というより我々の実生活、実体験と繋がってくる、そんなハリーが描かれているので、演じるのは一筋縄ではいかないと思っていますが、我々3人がどう演じるのかを楽しみにしていただきたいと思います。

早霧:ハーマイオニーは子どもの頃からとても信念があって、正義感が強い女の子だったと思うんですけれども、19年後大人になってロンと結婚して、子どもができて、何より魔法大臣として信念も正義感もより深く強くなっています。それに責任感もプラスされているんじゃないかなと思っていますが、ハーマイオニーだけじゃなくて、今回の舞台に出てくる女性陣の強さといったら!本当に強い女性ばかりなんです。でも強さの質が違うというところで、魔法大臣として芯のある、正義感たっぷりの女性を演じていけたらなと思います。

エハラ:ロン・ウィーズリーはですね、子どもの頃からお調子者でユーモアもセンスもあって、ちょっと天然な部分もあって、みんなの雰囲気をいい意味で緩和させるようなキャラクターだと思うんですけれども、大人になって19年経っても、その根本は全く変わっていなくて。子どもを愛し、妻を愛し、家族を愛しながらみんなを笑わせようと頑張っている、世界中に愛されるキャラクターなので、そのまま見ていただけるかなと思います。やっぱりもう世界的にファンがいるので、僕もそのイメージを壊したらあかんなと思って12キロ痩せたんです! ロンのイメージ的に大きいと駄目なんじゃないかと思ったんですが、海外のロンの方がめちゃくちゃデカかったんですよ!(笑)。痩せないでよかったんだと後々知りました。とはいえ皆さんのロン像を崩さずに作りたい。皆さんの本気度がすごいので、負けられないなと思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から=森好弘 撮影

──藤原さん、向井さん、この作品に登場する魔法の中で、自分でも実際に使ってみたいなと思う魔法はなんですか?

藤原:やっぱりエクスペリアームスでしょうか。(コナーに)色々な使い方があるんですよね?

コナー:ご自分でお使いになっていますよね? 僕に訊かずにむしろ教えてください(笑)

藤原:(笑)、色々な使い方があって非常に面白いんです。この舞台でも何度か使っていますから、是非注目してください。

向井:現実的に一番使い勝手がいいなと個人的に思っているのはアロホモラ。扉を開ける魔法ですけれども、扉っていっぱいあるじゃないですか。まず朝起きて部屋の扉を開けて、洗面所の扉を開けて、劇場の扉も開ける。1日に何回も使うタイミングがあるなと思って、これが一番色々な方にとっていいなと思っています。

コナー:エクスペリアームスとアロホモラの魔法と言っていますが、透明になる魔法などもうちょっと大きく夢を見た方がいいんじゃないかな(笑)。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から=森好弘 撮影

どの席でも各自に体感できる魔法がある

──「こんな仕掛けがあるのでぜひここを見てもらいたい」というアピールポイントを言える範囲で教えてください。

藤原:「仕掛け」ではないですよね?

コナー:はい、全部本物です。

藤原:そこが見どころですね(笑)

石丸:魔法三昧なので色々な魔法があります。すごくテクニカルな魔法からアナログの魔法まで。どれもが見どころですが、僕が一番気に入っているのは変身魔法。それを説明はできないのですが、ぜひ客席に座って体感して欲しいんです。人が変わります、面白いですよ!

向井:いっぱいありすぎて、もう本当に数分に1回のペースで魔法なりイリュージョンなりがあるので、どれと言うのはすごく難しいんですが、ひとつ言えるとしたら劇場全体ですね。劇場全体の、どの席でも確実に体感できるイリュージョンが、ある瞬間に訪れますが、怖くもあり面白くもあり、舞台ならではで、映像には絶対できないものなので、僕は一番印象的だと思います。

『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から=森好弘 撮影拡大『ハリー・ポッターと呪いの子』製作発表会見から=森好弘 撮影

──今回それぞれ個性が異なる俳優3人がハリーを演じますが、俳優が作品に描かれたハリーに近づいていくのか、出来上がった舞台の世界にそれぞれの俳優が近づいていくのか、どちらなのでしょうか。

コナー:ハリー・ポッターは世界中で知られている有名なキャラクターで、7冊の本の歴史があります。誰かが「ハリー・ポッターとは何か」と言った時に、ある意味それはすごく大きくて答えきれない質問でもあるんです。怒っている瞬間があれば、勇敢な場面もあり、欠けている部分もあって矛盾しているところもある。それがこの作品の美しさでもあるし、様々なニュアンスが出てくるポイントでもあると思っています。竜也さん、幹二さん、理さんはそれぞれ全然違うハリーになってくれています。それぞれがハリーの違うところをあらわにしてくれている、違うところに集中してくれている。

 例えとして理さんを褒めることになりますが、(アルバス役の福山)康平さんがアルバスとハリーのシーンについて不安を抱えていたんですね。そうしたら理さんが「シーン自体がモヤモヤしているんだから、君がモヤモヤを感じているのは正しいんじゃない?」と言っていました。そんな感じで、3人の役者がアルバス役の父になっていく過程を見ているので、全然違うハリーになっています。

──では、最後に代表してハリー役の皆様、舞台を楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。

藤原:まずはプレビューの6月に向けて精一杯稽古をしていきたいと思います。気を引き締めて頑張りますので、応援よろしくお願いします。

石丸:この舞台はチケットを買った瞬間から作品の世界が始まっています。胸を膨らませて待っていて欲しいですし、3時間はあっという間に終わってしまいますが、存分に楽しんでいただけたらと思います。僕たちも頑張って稽古に励んでいきたいと思いますのでご期待ください。

向井:やはり映像では感じられない、実際の僕らの声や活力、パフォーマンス全てが現実の世界で起きているということ。舞台のストロングポイントだなと改めて思うところを、存分に感じていただけると思います。本当にすごい瞬間がたくさんありますし、それと同時にやはり芝居の部分で丁寧な台本になっています。色々なところを楽しんでもらえる演劇になっていると思いますので、是非その瞬間を目撃してもらえるよう、これから稽古に励んでいきたいと思います。よろしくお願い致します。

◆公演情報◆
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』
プレビュー公演:2022年6月16日(木)~7月7日(木)
本公演:2022年7月8日(金)~
会場:TBS赤坂ACTシアター
公式ホームページ
[スタッフ]
オリジナル・ストーリー:J.K.ローリング、ジャック・ソーン、ジョン・ティファニー
脚本:ジャック・ソーン
演出 :ジョン・ティファニー
振付・ステージング:スティーヴン・ホゲット
[出演]
ハリー・ポッター:藤原竜也/石丸幹二/向井 理
ハーマイオニー・グレンジャー:中別府葵/早霧せいな
ロン・ウィーズリー:エハラマサヒロ/竪山隼太
ドラコ・マルフォイ:松田慎也/宮尾俊太郎
ジニー・ポッター:馬渕英里何/白羽ゆり
アルバス・ポッター:藤田 悠/福山康平
スコーピウス・マルフォイ:門田宗大/斉藤莉生
嘆きのマートル:美山加恋
ローズ・グレンジャー・ウィーズリー:橋本菜摘
デルフィー:宝意紗友莉/岩田華怜
組分け帽子:木場允視
エイモス・ディゴリー:福井貴一
マクゴナガル校長:榊原郁恵/高橋ひとみ

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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