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『トップガン』再来、トム・クルーズが同世代の私たちに言いたいこと

過去と今が交錯しながら、“積み残し”を解決する『トップガン マーヴェリック』

野菜さらだ コラムニスト/言語聴覚士

初代の心残りを最新作で片付ける

/Shutterstock.com拡大米ラスベガスの劇場で FlickDirect Inc/Shutterstock.com

 大ヒットした映画の続編というのは、最初から「大ヒットしなければならない」という重荷を背負っている。その重荷を避けるためか何なのか、『トップガン』の続編はすぐには制作されなかった。「十分なストーリーができるまで続編を撮るつもりはなかった」とトム自身も語っている(映画『トップガン マーヴェリック』特別映像(ベスト・オブ・ザ・ベスト))。

 彼が納得して制作に踏み切ったストーリー、それは初代のトップガンでマーヴェリックとペアを組んでいた親友グースが飛行演習中の不慮の事故で亡くなったことを軸にして展開するものだった。型破りで天才的なパイロットである主人公が自信満々で登場していながら、その親友の死をきっかけに飛ぶことへの恐怖と抵抗から彼の顔からは笑顔が消え苦難のときを過ごす。しかし、最後に因縁のライバルであったアイスマン(ヴァル・キルマー)と助け合いながら敵機と戦い、自信を取り戻すという、ある意味起承転結のはっきりしたシンプルな展開だった。

 トム・クルーズの輝く笑顔、最後にアイスマンと和解して強く抱き合うシーンで感動しつつも、「でも、親友だったグースは、死んじゃって……」という一抹のモヤモヤが残ったのは確かだ。グースの亡骸がヘリコプターで吊りあげられるシーンは、それはそれで絵的には美しく目に焼き付くシーンではあるが、主人公は絶対死なない、その脇役は次々死んでいくというありがちなハリウッド的展開に、釈然としない後味の悪さはあった。特に親友の死が美しく描かれていればいるほど、「主人公のサクセスストーリーを引き立たせるために?」という微かな疑問が残ったのだ。「トムも同じモヤモヤを抱いていたのだろうか?」。

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筆者

野菜さらだ

野菜さらだ(やさいさらだ) コラムニスト/言語聴覚士

本名・三田地真実(星槎大学大学院教育学研究科教授) 教員、言語聴覚士として勤務後、渡米。米国オレゴン大学教育学部博士課程修了(Ph.D.)。専門は応用行動分析学・ファシリテーション論。2016年からオンライン会議システムを使ったワークショップや授業を精力的に行っている。著書に『保護者と先生のための応用行動分析入門ハンドブック』など。教育雑誌連載と連動した 「教職いろはがるた」の動画配信中!

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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