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山下達郎『SOFTLY』が聴けない、買えない、伝わらない……

ひとりでも多くのリスナーに聴いてもらうために考えるべきこと

印南敦史 作家、書評家

 用事があって神戸まで行った先日のこと。新神戸駅まで迎えにきてくれた地元の友人の車に乗ったら、車内には山下達郎の曲がちょうどいいボリュームで流れていた。

 「これ、新しいやつだよね?」
 「そうです」

山下達郎『SOFTLY』拡大山下達郎11年ぶりのアルバム『SOFTLY』
 いうまでもなく、11年ぶりのオリジナルアルバム『SOFTLY』である。それに気づいたとき、「このアルバムは、人の暮らしのなかに自然に溶け込んでいるんだな」と感じた。ただそれだけの話なのだけれども、私はそれを、理想的な山下達郎作品のあり方だと感じた。どこへ行っても大音量でかかっているというような派手な感じではないが、彼の音楽が確実に、人の生活の一部になっている気がしたからだ。

 東京に帰ってから(つまり、発売日から少し経ってしまったのだが)、私も『SOFTLY』を購入した。全15曲中、ドラマ、映画、CMのタイアップ曲が12曲もあるそうだが、テレビドラマを観る習慣がないせいか既聴感はあまりなく、各曲がとても新鮮に聞こえた。しかも(神戸で感じたときと同じように)、さりげなく耳を通り抜けていく。なのに、要所要所でガチッと気持ちをつかむ。それは、期待していたとおりの山下達郎的世界だった。

 しかし、そんな『SOFTLY』に関し、気になっていることがひとつだけある。そこで、どれだけ共感していただけるかはわからないが、私の嘘偽りない思いを綴ってみたいと思う。

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筆者

印南敦史

印南敦史(いんなみ・あつし) 作家、書評家

1962年、東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「ダ・ヴィンチ」「ライフハッカー(日本版)」「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.JP」「WANI BOOKOUT」など、紙からウェブまで多くのメディアに寄稿。著書に『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『書評の仕事』 (ワニブックスPLUS新書)など多数。新刊に『遅読家のための読書術──情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、読書する家族のつくりかた──親子で本好きになる25のゲームメソッド』(星海社新書)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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