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音楽4団体の生稲晃子氏・今井絵理子氏「支援」への疑問と、業界の今後

高橋健太郎 音楽評論家、音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア

 参議院選の公示から1週間ほどが過ぎた6月30日、思いがけないニュースが音楽界を揺るがした。日本音楽事業者協会(音事協)、日本音楽制作者連盟(音制連)、コンサートプロモーターズ協会、日本音楽出版社協会の4団体が、自民党から出馬した生稲晃子氏と今井絵理子氏を支援する「決起集会」を開催したのだ。

 他業種であれば、業界が「族議員」的な政治家を抱えようとするというのは、特に珍しい光景ではないのかもしれない。だが、音楽界では業界団体が選挙で特定の候補を支援するのは前例がなかった。とりわけ、筆者が驚いたのは、音制連を含む4団体が揃って、それを行ったことだった。

生稲晃子氏と今井絵理子氏=2022年6月26日午後1時22分、東京都台東区雷門2丁目拡大参院選の選挙活動で有権者に手を振る生稲晃子氏(左)と今井絵理子氏=2022年6月26日、東京都台東区雷門

 芸能プロダクションを中心とした音事協は、歴史的に自民党との関係が深かったと思われる。元「おニャン子クラブ」の生稲晃子氏と元「SPEED」の今井絵理子氏も、音事協に加盟する事務所所属のアイドルとして活動した過去を持つ。

 対して、音制連はフォーク・シンガーやロック・バンドを擁する音楽事務所が主体となって形作られた団体である。反骨精神旺盛な人々によって作られ、音事協とは対照的な性格を有していた。加盟音楽事務所に所属するミュージシャンの顔ぶれを見ても、政権与党への選挙協力は似合わない。

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筆者

高橋健太郎

高橋健太郎(たかはし・けんたろう) 音楽評論家、音楽プロデューサー、レコーディング・エンジニア

1956年生まれ。80年代から音楽専門誌などに音楽評論を寄稿。2000年にインディーズ・レーベル「Memory Lab」を設立。著書に『ヘッドフォン・ガール』『ポップ・ミュージックのゆくえ──音楽の未来に蘇るもの』(ともにアルテスパブリッシング)、『スタジオの音が聴こえる──名盤を生んだスタジオ、コンソール&エンジニア』(DU BOOKS)など

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです