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【公演評】雪組『ODYSSEY-The Age of Discovery-』

彩風咲奈船長が乗組員を率いて世界を華やかに駆け巡るダンス・ショーケース

さかせがわ猫丸 フリーライター


 雪組公演Midsummer Spectacular『ODYSSEY(オデッセイ)-The Age of Discovery-』が、7月21日、梅田芸術劇場メインホールで初日を迎えました。この公演は今年1月、東京国際フォーラムで上演予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で全公演が中止となったため、今回はまさにそのリベンジになったといえるでしょう。(以後、ネタバレあります)

 主演の彩風咲奈さんが扮するのは、ODYSSEY 号の船長ブルーム。美しき海賊たちを率いて世界中の国々を旅しながら、空前絶後のパフォーマンスを繰り広げます。ACT1は「海風」、ACT2は「彩風」をテーマに、古今東西の名曲でつづる華やかなレビューを展開、ショースター彩風咲奈の魅力があますところなく発揮されました。

キャプテン彩風が舞台狭しと踊る

『ODYSSEY-The Age of Discovery-』公演から、彩風咲奈=岸隆子 撮影拡大『ODYSSEY-The Age of Discovery-』公演から、彩風咲奈=岸隆子 撮影

 開演まで波の音が劇場を包み込み、大海原に帆を上げる映像が幕に映し出されると、いよいよ雪組ODYSSEY号が出帆です。彩風さんは『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウに、宝塚らしい美をアレンジしたようなキャプテンスタイルが抜群のスタイルに映え、それだけで文句なしにカッコいい。天井からつり下がった梯子で移動するなど、大胆な演出はこれからの冒険を予感させ、思わずワクワクします。

 雪組の仲間たちと合流すると、さっそく公演グッズのフラッグを使ってお客様も一緒にダンシング。事前に振付動画も公開されていますので、ぜひ劇場一体となってもりあがりましょう。前トップスター望海風斗さん時代に生まれた合言葉「どっせい」を「オデッセイ」にひっかけたナンバーは元気いっぱいで、船はにぎやかに、華やかに出発しました。

 そこから始まるのは、世界各国への旅。そのバラエティ豊かなジャンルは想像を超えていました。一つひとつの場面がまったく異なる世界観で、どれも手を抜かない濃密な演出に、少ない出演人数とは思えない早変わりの連続は、息つく暇をも与えません。そんな中、カギとなるのは、いつも中心でみんなを引っ張る彩風さんの圧倒的存在感です。

 最初にたどり着いたニューヨークのクラブでは、ウエーブのロングヘアを一つに縛ってタキシード姿に変身。こんなスタイルが決まるのも彩風さんならではでしょうか。そこからは、縣千さん演じるカルメンに惑わされるドン・ホセ、華世京さん演じる王妃に恋するアラビアの奴隷、相手役の朝月希和さんらと地中海でさわやかに踊ったり、白軍服の王子様やおなじみサンバカーニバル、モディリアーニに扮したストーリー仕立ての場面もありました。さらにとどめは、お客様の度肝を抜くスーパー美脚……これは見てのお楽しみですね。

 なにより、そんなルックスを何倍も活かすのは、彩風さんの舞台を掌握する力でしょう。長い手足を活かした彩風さんのダンスは定評がありますが、時に優雅に、時に激しく、どんな場面でも完成した世界観を作り上げ、あの広い梅田芸術劇場の舞台を狭く感じさせる力に改めて感嘆しました。

◆公演情報◆
『ODYSSEY-The Age of Discovery-』
2022年7月21日(木)~8月7日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]作・演出:野口幸作

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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