メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

ミュージカル『ピピン』主演、森崎ウィンインタビュー(下)

今までにない、総合エンターテインメントの真骨頂

米満ゆうこ フリーライター


森崎ウィンインタビュー(上)

ピピンと自分のはざまで演じる

――ミュージシャンとして歌う森崎さんと、ここが違うというところは?

 森崎ウィンとしてライブする時は、やっぱりウィンなんですよね。僕が好きなようにしゃべるし、僕だからという良さもあるんですけど、キャラクターを通した時の僕は、起承転結の物語があって、それを森崎ウィンの体を使って、キャラクターを通して、ウィンとピピンのはざまを行き来する。たぶん、見たことがない瞬間がたくさん出てくると思うんですよね。こんな顔するんだ、こんな声出すんだというのは、芝居がないとできない。ミュージカルでしか見られない僕の良さがたくさん詰まっていると思います。

森崎ウィン=草田康博 撮影
拡大森崎ウィン=草田康博 撮影

――ピピンと自分とのはざまで演じると。

 自分とかけ離れていれば離れているほど、全然違うと思いきや、俺ってこういう一面あるよね、こういう感情になるよねとか共通する場合もあるんです。自分の体の反応は、演じるではない。リアクションってリアルなんです。話す内容はキャラクターが欲するセリフになって、自分じゃないところを行ったり来たりしますが、体のリアクションは自分になってくると思うんですよね。だから全く自分は出ていませんというよりも、僕は自分を使いながらやっていくタイプの役者かなというのはここ数年で感じています。

――プレッシャーも増してきたとさっき言われましたが、一国を担うピピンとますます重なる部分も?

 本番が近づけば近づくほど時間がなくなっていくわけですよね。時間がなくなってきて、迫ってきて、自分の中でリアリティーが出てくる。プロモーションが始まって、こうやって大阪に来て、ドンドンどんどん自分の中で、ピピンが占める割合が増えていく。今、撮影している作品を終えて、ひげもそって(笑)、スパッと『ピピン』に入っていくと思うんです。ピピンを演じている時は、また、顔が全然違うと思います。今、プロモーションでこんな顔付きでやっていますけど、本番になったら、全然、僕の顔が変わっているよねということも楽しんでほしいなと。どの役者もそうだと思うんですけど、今やっている役のまま、別の作品のプロモーションをして、稽古や本番に入ったら、全然違う顔付きになっていくんですよ。そこも見てもらいたいですね。

森崎ウィン=草田康博 撮影
拡大森崎ウィン=草田康博 撮影

――それは楽しみですね。ところで、少し話が変わりますが、森崎さんは2008年にダンスボーカルユニットに加入し、今はソロで音楽活動もされていますが、役者にも軸足を置いた瞬間を覚えていらっしゃいますか。

 いえ、もともと僕は役者からなんですよ。映像でデビューして、そこから音楽もとなったんです。役者第一だったので、音楽人として自分のオリジナル曲を歌う時のほうが、もしかしたら自分を探す旅というのは大きいかもしれないですね。

――そうなのですか。音楽もR&Bの要素やグルーブがあり、森崎さんらしい音楽を確立されていて、『ピピン』の楽曲と声質が合うなぁと思っていました。

 最初はグループでやっていて、グループはもう解散しちゃったんです。一人になって、日本コロムビアさんからデビューしてまだ2年なので、自分探しが続いているんです。役者としてもそうなんですけど。年代によって、演じられる役もドンドンと変わってきますし、その中で、普段の生活やどう生きてきたかは役に出ないわけではないんですよね。一緒に芝居をやっていて面白いなと思う役者さんは、聞くと、面白い人生を生きているんです。先日、駿河太郎さんとお話ししていたんですが、彼、面白いんですよね。面白い芝居をする方は面白い人生を生きているんだなとすごく感じる。自分がどうというのは如実に出ますし、それが役者の面白いところだと思うんです。

◆公演情報◆
ミュージカル『ピピン』
東京:2022年8月30日(火)〜9月19日(月・祝)  東急シアターオーブ
大阪:2022年9月23日(金・祝)〜9月27日(火)  オリックス劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本:ロジャー・O・ハーソン
作詞・作曲:スティーヴン・シュワルツ
演出:ダイアン・パウルス
振付:チェット・ウォーカー (in the style of Bob Fosse)
サーカス・クリエーション:ジプシー・シュナイダー(Les 7 doigts de la main)
[出演]
森崎ウィン、Crystal Kay(クリスタル ケイ)、今井清隆、霧矢大夢、愛加あゆ、岡田亮輔、中尾ミエ(Wキャスト)/前田美波里(Wキャスト)、高畑遼大(Wキャスト)/生出真太郎(Wキャスト)ほか
〈スペシャルゲスト〉
ローマン・ハイルディン、ジョエル・ハーツフェルド、オライオン・グリフィス、モハメド・ブエスタ、エイミー・ナイチンゲール
※やむを得ない事情により、出演者が変更になる可能性があります。
〈森崎ウィンプロフィル〉
 2008年テレビドラマで俳優デビューし、ドラマや映画、舞台などで幅広く活躍。2020年7月1日MORISAKI WINとして、配信シングル『パレード – PARADE』でメジャーデビューを果たす。最近の出演作品は、ミュージカル『ジェイミー』、米倉涼子×城田優 エンタテインメントショー『SHOWTIME』、ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2、映画『嘘喰い』、『バイオレンスアクション』、『HiGH&LOW THE WORST X』など。
公式ホームページ
公式twitter
公式instagram

・・・ログインして読む
(残り:約1485文字/本文:約3757文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

米満ゆうこ

米満ゆうこ(よねみつ・ゆうこ) フリーライター

 ブロードウェイでミュージカルを見たのをきっかけに演劇に開眼。国内外の舞台を中心に、音楽、映画などの記事を執筆している。ブロードウェイの観劇歴は25年以上にわたり、〝心の師〟であるアメリカの劇作家トニー・クシュナーや、演出家マイケル・メイヤー、スーザン・ストローマンらを追っかけて現地でも取材をしている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

米満ゆうこの記事

もっと見る