メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

『DOROTHY~オズの魔法使い~』に西の魔女役で出演、凰稀かなめインタビュー(下)

音楽が支配する魔法の国で、オリジナル楽曲の新たな物語が紡がれる

小野寺亜紀 演劇ライター、インタビュアー


凰稀かなめインタビュー(上)

ライオンに似ているかもしれないですが、度胸と自信が欲しい

――「全ての大人たちに贈る、奇跡の歌の物語」と謳っている『DOROTHY(ドロシー)~オズの魔法使い~』ですが、凰稀さんが感じられるメッセージやテーマは?

 田尾下哲さん(作・演出)ご自身、音楽に携わられることが多かったと思いますし、「音楽の力を信じたい」という想いがあるのかもしれないです。コロナの状況のなか、音楽の力ってとても大きかったですよね。その想いを込めて舞台化されているのかなと。また、ドロシーがオーケストラの一員をまとめようとするのと、オズの世界を一つにまとめようとするところがリンクされているようにも、今のお稽古段階で感じています。

凰稀かなめ=久保秀臣 撮影拡大凰稀かなめ=久保秀臣 撮影

――『オズの魔法使い』では心を欲するブリキ、勇気を欲するライオンなど、それぞれが何かを求めていますが、凰稀さんが今欲しているものは?

 私はライオンに似ているのかもしれないですが、緊張しぃなので度胸と自信が欲しいです。

――え!?  そのようには見えないですが。

 緊張はひどいです。自分でも、どうやって舞台に立ってるんだろうと思います(苦笑)。とりあえず震えが止まらず、宝塚時代とかも本当にひどくて、緊張がお腹にくるぐらいでした。

――舞台に立つ前、何か緊張を和らげるためにしていることなどありますか?

 そうですね、舞台袖に早く行くかな。お客様のザワザワという声を聞いて、早めに舞台に立っている状態にしておこうと。それでもずっと落ち着かないし、異常なぐらいに緊張しているのですが(笑)。

凰稀かなめ=久保秀臣 撮影拡大凰稀かなめ=久保秀臣 撮影

――それは宝塚時代の下級生の頃からですか?

 いえ、舞台を踏んでいくごとにどんどん怖くなっていきました。下級生の頃は怖いもの知らずでしたけど、真ん中に立つ役を頂くようになり、舞台を積み重ねていくごとにどんどん怖くなって、トップの頃にはもう死にそうでした(笑)。

――卒業されてからもそれは加速しているのですか?

 はい。(開演)10分前には舞台袖にいますね。ひどいときは、幕間の休憩中でも舞台上にいます。コロナ禍となってから出演した『モンテ・クリスト伯~黒き将軍とカトリーヌ~』では2回休憩があったのですが、衣装を着たままずっと舞台上のセットの椅子に座っていました。

――それでも舞台に立ち続けられる……。やはり舞台がお好きなんですね(笑)。

 (小さい声で)どうなんでしょう(笑)。でも舞台が始まった瞬間、不思議なことに大丈夫になるんですよ。

凰稀かなめ=久保秀臣 撮影拡大凰稀かなめ=久保秀臣 撮影

――前にお話を伺ったとき、日常を過ごしてるときよりも、役を演じているときのほうが楽と仰っていて、根っからのお芝居好きの方なのだなと思いました。

 演じているほうが楽です!  逆に今生きている日常のほうが大変だなって思います。だって、役では決められた人生を何時間か精一杯生きればいいじゃないですか。日常は先が長いのか短いのか分からないし、ある意味やるべきことはたくさんあるのに、何をしていいのか分からなくて迷ってしまいます。

――役として感情が動き、ある意味日常を忘れられることで、デトックス効果みたいなところがあるのかも……?

 そうですね。私は舞台上のほうが、喜怒哀楽が激しくて、普段はあまり感情(の起伏)がないかもしれません。宝塚時代の生活というのも、多分影響しているのかも。上下関係の厳しい世界でしたし、そのぶん舞台上で発散できていたから、楽と感じるのかもしれないです。

◆公演情報◆
ミュージカル『DOROTHY~オズの魔法使い~』
※最新の公演情報はホームページでご確認下さい
東京:2022年8月20日(土)~28日(日) 日本青年館ホール
静岡:2022年9月3日(土)  静岡市清水文化会館マリナート
愛知:2022年9月10日(土)~11日(日) 愛知県芸術劇場大ホール
広島:2022年9月13日(火) 広島文化学園HBGホール
兵庫:2022年9月16日(金)~19日(月・祝) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
福井:2022年9月21日(水) フェニックス・プラザ
富山:2022年9月23日(金・祝) オーバード・ホール
鹿児島:2022年9月28日(水) 川商ホール・第1(鹿児島市民文化ホール)
福岡:2022年10月1日(土)~2日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
群馬:2022年10月12日(水) 高崎芸術劇場 大劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
作・演出:田尾下哲
作曲・音楽監督:宮川彬良
作詞:安田佑子
[出演]
桜井玲香
蒼井翔太・鈴木省吾(Wキャスト)、渡辺大輔
小野塚勇人【劇団EXILE】・栗山航(Wキャスト)
伊波杏樹、横澤菜帆/凰稀かなめ/鈴木壮麻 ほか
〈凰稀かなめプロフィル〉
 2000年に宝塚歌劇団入団、雪組に配属。2011年宙組へ組替えし、2012年にトップスターに就任。2015年に宝塚歌劇団を退団後、舞台・映画・ドラマと幅広く活躍している。2018年に、主演舞台「さよなら、チャーリー」で文化庁芸術祭新人賞を受賞。最近の主な出演作品は、『TARKIE THE STORY』、『MOTHERLAND』、『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD〜陽いづる雪月花編〜』、『ラストダンスは私に〜岩谷時子生誕105年記念〜』など。
オフィシャルサイト
公式instagram

・・・ログインして読む
(残り:約1511文字/本文:約3754文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

小野寺亜紀

小野寺亜紀(おのでら・あき) 演劇ライター、インタビュアー

大阪府出身。幼い頃から舞台をはじめ、さまざまなエンターテインメントにエネルギーをもらい、その本質や携わる人々の想いを「伝える」仕事を志す。関西大学文学部卒業後、編集記者を経て独立。長年、新聞や雑誌、Webサイト、公式媒体などで、インタビューや公演レポート等を執筆している。特に宝塚歌劇関係の取材は多い。 小野寺亜紀オフィシャルサイト(https://aki-octogreen.themedia.jp/)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

小野寺亜紀の記事

もっと見る