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元徴用工の強制労働に関わった日本企業は直ちに謝罪し賠償すべきだ

植民地支配下での「人道に反する罪」を問う動きが強まっている

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

 「徴用工」問題をめぐるデッドラインが目前にせまっている。2018年の韓国最高裁による日本企業への賠償金支払い命令、およびそのための韓国内資産の差し押さえ・現金化の動きが、最終局面に近づいているからだ。

 私はこれまで、韓国は国際法に違反しているという日本政府の言い分に正当性はなく、日本政府は国際問題であろうと民事に介入すべきではないこと(「徴用工問題では、日本政府こそ「国際法違反」を犯している」、「徴用工問題で、日本政府は民事事件に介入してはならない」)、元徴用工の個人的な賠償請求権は「日韓請求権協定」があろうと放棄されていないこと、徴用工を使役した企業は自らの責任において元徴用工に賠償すべきこと(「河野外相こそ無礼。日韓関係を考える最低限の条件」、「元徴用工への補償は日韓請求権協定があっても可能」)、等を論じた。

韓国外交省での徴用工問題をめぐる協議会の初会合に出席するのを前に、記者会見する原告代理人ら=2022年7月4日拡大韓国外交省での徴用工問題をめぐる協議会の初会合に出席するのを前に、記者会見する原告代理人ら=2022年7月4日

人権救済への動きと「元徴用工」問題

 本稿では、21世紀に入り世界各地で進行している、人権救済へ向けた動きを視野におきつつ、以上を補強したい。その動きとは、かつての植民地支配下および奴隷制下で、被支配人民に加えられた「人道に反する罪」(ジェノサイド、虐殺、奴隷化、強制労働等)に対する救済の動きである。

 日本は、各種懸案の問題において国際的な流れから遅れることが多い。近年目立つのは、先進的な先住民対策やジェンダー主流化からの立ち遅れである。焦眉の徴用工問題、広くは植民地支配問題においても同様である。だがグローバリゼーションが進展した今、主権国家といえども国際社会の理解なしには何事もなしえない。国際社会における問題の対処法を尊重せずにはすまされない。

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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