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謝罪・補償は、ジェノサイドに対しても求められている

日本政府は「人道に反する罪」への責任を認めるべきだ

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

関東大震災時のジェノサイド

 日本国内で起きたジェノサイドについてさえ、謝罪はもちろん調査さえ満足に行われていない。

 関東大震災(1923年)のおり、いまだに正確な実態がつかめないが、1500人弱~6500人強(加藤直樹『九月、東京の路上で──1923年関東大震災ジェノサイドの残響』ころから、171p)もの在日朝鮮人が、警察・内務省等が増幅し権威づけた流言飛語に基づいて、在郷軍人を主にした自警団、および警察・軍によって虐殺された。

1923年 関東大震災 竹槍で警戒に当たる自警団 震災直後、竹槍を持って警戒に当たる自警団。東京周辺に戒厳令を準用する勅令が施行され、不穏な空気を警戒、各地で自警団が組織された拡大1923年の関東大震災で、竹槍を手に警戒に当たる自警団

 かつて東京都知事は、

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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