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【公演評】宙組『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』『Capricciosa!!』

真風涼帆率いる宙組がLDH JAPANとコラボレーション

さかせがわ猫丸 フリーライター

 宝塚宙組公演、TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』とファッシーノ・モストラーレ『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』-心のままに-が、8月27日に宝塚大劇場で初日を迎えました。男役として、トップスターとして今、まさに充実する真風涼帆さんが次に挑戦するのは、テレビ・映画をはじめあらゆるメディアで爆発的人気を誇った『HiGH&LOW』です。この作品は2015年、EXILE HIRO氏プロデュースによりテレビドラマとして誕生以来、映画、音楽、コミック、ゲームなどあらゆるメディアで爆発的人気を博しました。宝塚歌劇とコラボレーションの意外性は、エンターテインメント業界にとっても大きなニュースとなりました。

 しかし『HiGH&LOW』といえば、荒くれものの男たちによるバイオレンス風味も満載な作品です。果たして宝塚のラブロマンスを愛する女性ファンとの親和は可能なのでしょうか。(以後、ネタバレあります)

ツンデレで理想の男・真風

『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』公演から、真風涼帆=岸隆子 撮影拡大『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』公演から、真風涼帆=岸隆子 撮影

 オープニングはスクリーンに浮かぶ不穏な街の成り立ちが浮かびだされます。

 伝説のチーム・ムゲン解散後、無法地帯と化したこの街に、頭角を現し始めた五つのチーム『山王連合会』『White Rascals』『鬼邪高校』『RUDE BOYS』『達磨一家』――その頭文字から、人は彼らをSWORDと呼ぶ。

 ――山王街の幼馴染で結成された『山王連合会』のリーダー・コブラ(真風)は、ヤマト(紫藤りゅう)、ダン(若翔りつ)、テッツ(亜音有星)らと、この街を守るため、今日も喧嘩に明け暮れていた。ある日、たまり場の床屋ピューマでバーのママ(水音志保)から、『White Rascals』代表・ROCKY(芹香斗亜)主催のクラブheaven発表会の招待状を渡される。余計な抗争を招きかねないと渋るコブラだったが、仲間に押し切られ渋々参加を決めた。パーティー当日、コブラはそこで偶然、幼馴染のカナ(潤花)の姿を見つける。

 作品のイメージがあまりにも宝塚と対照的で、ついていけるか不安だったお客様は少なくないかもしれませんが、そんな心配も無用でした。

 オープニングは大階段を使って、五つのグループをショー仕立てにお披露目です。キャラクターを作り込んだ一人ひとりの強烈な個性に目を奪われますが、もちろん宝塚ですので、美を損なわずカッコいいのは言うまでもありません。銀橋に全員が並んでアピールする瞬間は、思わず客席も興奮すること間違いなしでしょう。

 そしてなにより、主人公コブラを演じる真風さんがとびきり魅力的です。コブラは山王連合会のリーダーで、本家・岩田剛典さん同様、真風さんもナチュラルな髪型もさわやかな好青年。長年培ってきたカリスマ性も相まって、SWORDの頂点に立つ説得力も抜群です。無法な輩から街を守るコブラは、住民にとっても正義の味方かもしれません。

 チーム同士の抗争と聞くと怖いのですが、物語の前半はラブロマンスがたっぷりと盛り込まれます。ぶっきらぼうだけど実は優しい“ツンデレ”と、どこまでも守ってくれるたくましい真風コブラはまさに理想の男性像。宝塚の世界観との見事な融合で、思わず恋してしまうのはカナだけではないでしょう。

◆公演情報◆
『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』
『Capricciosa!!』
2022年8月27日(土)~9月26日(月)  宝塚大劇場
2022年10月15日(土)~11月20日(日)  東京宝塚劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』
原作・著作・構想:HI-AX
脚本・演出:野口幸作
『Capricciosa!!』
作・演出:藤井大介

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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