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『はるかそよかの音楽に恋して』に出演、平野綾インタビュー(上)

こんなクラシックの表現は見たことがない!

米満ゆうこ フリーライター


 平野綾が、11月23日(水・祝)、サンケイホールブリーゼで開かれる、チェロ&ピアノ&ヴォーカル『はるかそよかの音楽に恋してmeets 平野綾』に出演する。チェリストの林はるか、ピアニストの林そよか姉妹と共に、クラシックやミュージカル、ポップスなどを演奏し、クラシックになじみがない人でも楽しめるコンサートだ。平野がコンサートの魅力のほか、『レ・ミゼラブル』をはじめ節目となった出演作品や、ニューヨークで学んだ歌唱法など、多岐にわたって話してくれた。

チェロ、ピアノ、ヴォーカルの3ピースでアニソンも

平野綾=草田康博 撮影
拡大平野綾=草田康博 撮影

――第1弾として開催された『はるかそよかの音楽に恋してmeets龍真咲~クラシックから宝塚歌劇ナンバーまで』を配信でご覧になられたそうですね。

 見終わった瞬間に「私もやりたい!」と思ったくらい、クラシックのコンサートってこんなに楽しいんだと思いました。自分の中で意外だったというか、衝撃を受けたコンサートでしたね。

――平野さんご自身は普段、あまりクラシックのコンサートは行かれないのですか。

 オペラやクラシックのコンサートは特別な感じがして、普段なかなか行けないですね。ピアノをやっていたので、行くことはありますが、どうしてもハードルが高いイメージがあって。チケット代も高いし、頻繁に行くものではないというイメージがあったんです。オーケストラのコンサートの情報を得る機会も少なく、あまり触れてこなかったジャンルではありますね。

 第1弾のコンサートを観て、こんなクラシックの表現は見たことがないと。私はクラシックに詳しいわけではないのですが、イメージを決めつけている曲が多かったんです。でも、「もしあの作曲家がこの曲を弾いてみたら」「こういう感情であの曲を弾いてみたら」と、はるかさん、そよかさんがされた試みがものすごく面白かった。感情一つでこんなにも表現の仕方が変わるんだと驚きでしたね。

平野綾=草田康博 撮影
拡大平野綾=草田康博 撮影

――林さん姉妹の印象は?

 私は一人っ子なんですけど、姉妹で、しかも2人とも音楽家だとこういうコミュニケーションの仕方になるんだと(笑)。姉妹の身近な空気もありつつ、音楽家としてそれぞれリスペクトしあっている感覚も伝わってきて、すごくいい距離感で素敵だなと思いました。

――コンサートの第1部は『チェロとピアノで聴きたいこの曲!』と題し、林さん姉妹が演奏します。

 第1部はお2人が担当されます。リクエスト楽曲をぜひと言っていただけたので、ベートーベンの『悲愴』をお願いしたんです。

――『悲愴』がお好きなのですか。

 哀愁のあるノスタルジックな、過去を乗り越えて進もうとしている感じがすごく好きです。私は曲を聴いている時に、勝手にその曲のストーリーを思い浮かべたりするんですけど、特に思いをはせてしまう曲ですね。

――『はるそよ音楽講座~モーツァルト編』や、平野さんを交えた音楽トーク、ピアノ即興演奏コーナーもあります。第2部は、はるかさんとそよかさんの演奏で平野さんが歌います。ミュージカル『モーツァルト!』から『ダンスはやめられない』や、『涼宮ハルヒの憂鬱』から『God Knows...』など、平野さんファンにとってはおなじみの曲ばかりですね。

 セットリストは当日のお楽しみなので、全部は明かせないんですが、私が出演したミュージカルの持ち役の歌やJ-POP、ディズニーソングなども歌う予定です。

――チェロとピアノの演奏で、どんな感じになりそうでしょうか。

 いろんなアレンジが過去にあったと思うんですけど、3ピースでというのはあまりないですよね。私としても楽しみです。それぞれがやりたいことのイメージを膨らませてセッションできればいいなと思っています。

 『ダンスはやめられない』はオーケストレーションがしっかりある曲なので、アレンジが難しいと思うんです。私が演じたコンスタンツェの感情がものすごく激しく揺れ動く曲なので、せっかく女性3人ですし、それぞれが夫であるモーツァルトにコンスタンツェとして感情をぶつける、バトルのような演奏になると思います。

どの曲も今だから歌えることを表現したい

平野綾=草田康博 撮影
拡大平野綾=草田康博 撮影

――それは激しさを増した演奏になりそうですね。『God Knows...』は平野さんが歌うアニメソングの中でも代表的な曲ですが、ミュージカルの曲とアニメの曲を歌う時は、もちろん、声の出し方や使う筋肉が全然違いますよね。

 そうですね。どの曲も技術的なものは違えど、今だから歌える、今しかできない表現を追求したいなと。アニメは特に、原曲のままの演奏を望まれるオリジナル主義の方が多いんですよ。でも、初めて歌ってから15年以上経っているので、当時の気持ちを思い出しながら、技術的な進歩を加えつつ、今だからできる表現に置き換えるようにしています。

――コンサートで歌う場合、どの曲も役になりきって歌うのですか。

 自分が演じた持ち役に関しては、そうしたいと思っています。そこが演じ手であるミュージカル俳優だからできること。曲を歌い出した瞬間に、その作品を観ているような、世界観に入り込めるような歌を歌いたいですね。今回、セットリストを組んでみて、感情の切り替えが大変な曲ばかりだなと思いました(笑)。

――確かに(笑)。『ジブリ』曲メドレーもありますね。

 もともとすごく『ジブリ』の曲が好きだったんですが、歌う機会が一切なくて。ジブリのアニメに出演したことも、イベントに呼ばれたこともなく、全くご縁がなかったんです。ただのファンというだけ。はるかさん、そよかさんは『癒しのチェロ~ジブリ・ベスト』というCDを出されていて、ものすごく素敵なので、だったら今回歌わせてもらえないかと。

――ジブリの曲は感情の込め方が難しそうですね。

 知らない人はいないと思うので、オリジナルの作品の世界観を壊さないように思いを込めたいですね。あまりアレンジしすぎても良くないかなと思います。ただ、「そう来たか!」と思っていただけるような曲を選んでいます。宮崎駿監督作品ばかりを入れているわけじゃないよ(笑)と。ああ、それ歌ってほしかったと思っていただける選曲になっていると思います。

平野綾=草田康博 撮影
拡大平野綾=草田康博 撮影

――ディズニーの曲も歌いますが、ディズニーは小さいころからお好きだったそうですね。

 昨年やっと、ディズニー映画『ミラベルと魔法だらけの家』の吹き替えをやらせていただけて、自分にとっても大切な作品になりました。夢が叶ったということで今回は初心を振り返り、子どものころからずっと好きで記憶に残っている曲を歌います。

――家に大きなディズニーの図鑑があったそうですね。

 父の仕事の関連で、ディズニーのアニメーターさんたちが、どうやって作品を作ったか過程を描く分厚い図鑑があり、しょっちゅう見ていました。

――幼いころニューヨークに住まれていたので、ブロードウェイミュージカルを観ていらっしゃるのですよね。

 最初にブロードウェイで見たのは『ピーターパン』で、夢のような世界だと思ったのと同時に、ワニが怖くてトラウマになっちゃったんです(笑)。でもブロードウェイやディズニーワールドのショーを見て、この世界に入りたいと思い、親にも「あれがやりたい」とずっと言っていたらしいんです。

◆公演情報◆
チェロ&ピアノ&ヴォーカル
『はるかそよかの音楽に恋してmeets平野綾』
2022年11月23日(水・祝)14:00開演 サンケイホールブリーゼ
公式ホームページ
[出演]
林はるか(チェロ)
林そよか(ピアノ、編曲)
関純子(MC、カンテレアナウンサー)
【スペシャル・ヴォーカルゲスト】
平野綾(女優/声優/歌手)
〈平野綾プロフィル〉
 愛知県出身。1998年から子役としてTVドラマやCMなどに出演。2003年に声優デビュー。女優、声優、歌手として活躍し、近年は『レ・ミゼラブル』でエポニーヌ役、『レディ・ベス』でタイトルロール、『レベッカ』で“わたし”役を務めるなど、ミュージカルでの躍進が続いている。主な出演作に、『室温~夜の音楽~』、『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』、『ヴェラキッカ』、『エニシング・ゴーズ』、『ブロードウェイと銃弾』、『モーツァルト!』、『サンセット大通り』、『マーダー・バラッド』など。
公式twitter
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筆者

米満ゆうこ

米満ゆうこ(よねみつ・ゆうこ) フリーライター

 ブロードウェイでミュージカルを見たのをきっかけに演劇に開眼。国内外の舞台を中心に、音楽、映画などの記事を執筆している。ブロードウェイの観劇歴は25年以上にわたり、〝心の師〟であるアメリカの劇作家トニー・クシュナーや、演出家マイケル・メイヤー、スーザン・ストローマンらを追っかけて現地でも取材をしている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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