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ドラマ「エルピス」が見せる「安倍政治的なものの総決算」への期待

矢部万紀子 コラムニスト

 加藤陽子・東京大学教授(日本近代史)が朝日新聞デジタル(2022年11月1日配信)でこう語っていた。

 「半年前と今とでは、社会の空気が変わりましたよね。自衛官に対するセクハラ問題で防衛省が謝罪するとか、伊藤詩織さんを中傷する投稿に『いいね』を押した自民党の杉田水脈氏に高裁で賠償命令が出るとか、ひょっとすると安倍さんがいなくなったことと関係があるのかなと思っている人も少なくないでしょう」

 長谷部恭男・早稲田大学教授(憲法)、杉田敦・法政大学教授(政治理論)との鼎談で、<国葬と教団問題から考える「分断の政治」 安倍政治的なものの総決算>という見出しがついていた。

 これを読んだ翌日、オンエアから2日遅れでドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(関西テレビ制作、フジ系)を見た。防衛省の謝罪や杉田議員への賠償命令を可能にしたのが「安倍氏の不在」なのだとしたら、このドラマもそうではないか。そう思った。

©カンテレ拡大「エルピス―希望、あるいは災い―」(関西テレビ制作)  ©カンテレ

筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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