
上口耕平&水田航生インタビュー(上)
ジーン・ケリーとフレッド・アステアを彷彿とさせて
──様々なチームで演じ続けられている「ダブル・トラブル」のなかで、お2人のチームEの個性や、アピールポイントを挙げていただくとすると?
水田 ダンス?
上口 うん、やっぱりダンスかなぁ。2人共ダンスが大好きなので、そのダンス大好き感は自ずとにじみ出るかな?と思っています。身長は航生の方が高いんですが、シルエットが近いというか、一緒に踊っていると気持ちが良いです。ちょっとした手の角度とか、ダンスが好きな人はこう伸ばすよね、ショータイムはこう反るよね、という身体表現に僕たちだけの色が出るのかなと思います。
水田 耕平君の立ち居振る舞いやシルエットがものすごく美しいので、横目で盗みながらやっていますからそこにも兄弟感が出るのかなと。よし、ジーン・ケリーとフレッド・アステアになろう!と。

上口耕平(左)と水田航生=森好弘 撮影
──素晴らしい!
水田 ペア感が出るくらいのラインの美しさが出るといいなと。
上口 そこに個性もね。
水田 そう、2人だけの個性も出しつつ、ジーン・ケリーとフレッド・アステアを彷彿とさせるものにしていきたいです。
──今回お2人芝居ということで、是非お互いの魅力をどう感じているかを教えてください。
水田 僕は兄貴の懐の深さと言いますか、何を投げてもちゃんと打ち返してくれる守備範囲の広さをすごく感じています。もちろん明るいだけではなくて、とても繊細な部分を持ち合わせている方だと思うんですけれども、僕に接してくれている時にはいつも明るくて、絶対に否定をしない方なんです。物事に対してもそうだし、人に対してもそうなので、こんなにできた人がいるんだなと。僕はすぐに「無理です」「できないです」って言っちゃうから、余計に本当にすごい人だなと思います。
上口 ありがとう! 航生はね、端的に言うと「役者バカ」で(笑)一緒にいて安心ですね。本当に芝居が好きなんだなと思うし、芝居に向かっている姿勢がとても真面目で、そこが大好きです。自分で言ってしまいますが、僕もやっぱり真面目なタイプで、何に対してもコツコツやりたい方なので、航生もそうだとわかった時すごく安心したんです。僕がコツコツ地道に繰り返したいからと言って、誰でもそうだとは限らないし、色々な稽古に対するスタンスがあるなかで、僕に合わせてもらうのは申し訳ないですから。
特に僕の方がちょっと年上なので、航生に気を遣わせたくないなとか色々思っていたんですけど、いざ稽古場に入ったら航生が先にもう1点集中でコツコツやっているのを見てすごく嬉しかったんです。もう「よっしゃ!」と思った。そこが共通していたから安心してトライもできるし、相談もできるし、多分ここから更に稽古が進んで、お互いもっと上を目指していく段階で、一度作ったものでもリセットして、変更していく勇気も持っていければいいと思います。きっとキャッチボールを続けていくうちに、こっちの方が好きだな、いまの方が気持ち良かったな、ということはまだまだ出てくると思うし、お互いにそこを敏感にキャッチしてその日、その日でセッションしていく、という感覚になれたら、もっとグレードアップしていけると思うので、とても楽しみにしています。

上口耕平(左)と水田航生=森好弘 撮影
◆公演情報◆
ミュージカル『ダブル・トラブル』2022-23冬
〇Team D/浜中文一、室龍太
2022年12月12日(月)~2023年1月21日(土)自由劇場
2023年1月26日(木)~29日(日)新国立劇場 小劇場
〇Team E/上口耕平、水田航生
2022年12月23日(金)~2023年1月22日(日)自由劇場
〇Team F/越岡裕貴、松崎祐介
2023年2月2日(木)~2月19日(日) 新国立劇場 小劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・作詞・作曲:ボブ・ウォルトン&ジム・ウォルトン
翻訳・訳詞:高橋亜子
演出:ウォーリー木下
音楽監督:落合崇史、大塚茜
振付:TETSUHARU
タップ振付:本間憲一
〈上口耕平プロフィル〉
2002年、TVドラマ『ごくせん』で俳優デビュー。高校時代から数々のダンスコンテストに入賞し、キレのあるダンスには定評がある。近年はミュージカルを中心にジャンルを問わず活躍中。近年の主な舞台出演作品は、『ヘアスプレー』、『僕はまだ死んでない』、『GREASE』、『ドン・ジュアン』、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』、『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『RENT』、『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2など。
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〈水田航生プロフィル〉
2005年、約5000人の応募者の中から第1回アミューズ王子様オーディションのグランプリを受賞。ミュージカル『テニスの王子様』をはじめ、舞台、ミュージカルを中心に活躍。近年の主な舞台出演作は、『四月は君の嘘』、『冬のライオン』、『ザ・パンデモニアム・ロック・ショー~The Pandemonium Rock Show~』、『The Last 5 Years』、『GHOST』、『東京原子核クラブ』、『Count Down My Life』など。
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