
相葉裕樹インタビュー(上)
舞台って一つひとつ積み上げないと埋まらない
──相葉さんご自身も複数キャストで、様々なパターンの組み合わせがある舞台を経験されていらっしゃいますが、今回の舞台にも様々なパターンがあるということで、演じられる感覚としてはいかがなのでしょうか。
演目にもよる部分はありますが、やはり相手役が変わるとテンポ感も変わるし、空気感も変わるので、日々新鮮な発見もありますし、大変な部分もたくさんあります。特にミュージカルですと、楽曲のテンポや決まった譜面がありますから、会話劇よりは複数キャストでも成立しやすいと思われがちなのですが、やっぱり根底にあるのは芝居なので、その掛け合いをちゃんと合わせないと芝居にならないですから。そこは今回もすごく大切にやっていきたい部分です。

相葉裕樹=宮川舞子 撮影
──ミュージカルだから、歌さえ歌えれば成立するわけではないということでしょうか?
そうですね。やっぱり舞台って一つひとつ、積み上げて、組み上げていかないと、どうしても埋まらない部分が出てくる。それはとても正直に現れるものなので、本当に大事に大事に稽古を重ねていきたいです。
──ミュージカルの歌も芝居であるべきだというお話がありましたが、では会話劇に出演される時と、今回のようなミュージカル作品とで、相葉さんが舞台に臨まれる姿勢は変わらないのですか?
まず演じるということについては同じだと思っています。その上で大きく違うのは、会話劇、ストレートプレイの場合は、あくまでも台詞のテンポや間は自由なものであるべきだと思うんです。その日、その回によっても、相手の台詞の投げかけ方によっても常に変わってくる。でもミュージカルには歌があって、歌には決まった音程があり、リズムがある。もちろんそれでも演じる、歌う役者の個性によってある程度崩すというか、自然に変化している部分はあると思うのですが、最低限ここまでには歌い終わる、ここは守ろうねというものがミュージカルには必然的にありますよね。でも、そうした決まり事が多いからこそ、そのなかでどれだけ自由にやるのか?というものが肝になってくるのかなと思います。
◆公演情報◆
オフ・ブロードウェイ ミュージカル
『Ordinary Days』
東京:2023年2月8日(水)~12日(日) 俳優座劇場
大阪:2023年2月18日(土) COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
公式ホームページ
[スタッフ]
Ordinary Days Music and Lyrics by Adam Gwon
脚色・演出:田中麻衣子
音楽監督・ピアノ演奏:落合崇史
翻訳:藤倉 梓
[出演]
相葉裕樹、夢咲ねね、斎藤瑠希、浜崎香帆、小池竜暉、中本大賀
〈相葉裕樹プロフィル〉
2004年映画デビュー。2005年ミュージカル『テニスの王子様』で初舞台。2009年『侍戦隊シンケンジャー』に出演し注目を集める。また、声の吹き替えなどに活動の幅を広げている。主な出演作品は、『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』、『ダブル・トラブル』、『CROSS ROAD〜悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ〜』など。6月には音楽劇『ダ・ポンテ~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~』、9月にはミュージカル『アナスタシア』への出演が決まっている。
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