
娯楽の殿堂として親しまれ続け、「女優芝居」「歌手芝居」と言った芸能の伝統を守りつつ様々なチャレンジを続ける東京・日本橋浜町の「明治座」が2023年栄えある創業150周年を迎える。
その祝祭の年に「明治座創業150周年記念前月祭」として上演されるのが、『大逆転!大江戸桜誉賑』(だいぎゃくてん!おおえどかーにばる)だ。松平健、檀れい、コロッケ、久本雅美という「モンスター級」と称される豪華キャストが揃い、コントユニット「男子はだまってなさいよ!」を主宰し、舞台、ドラマ、映画の脚本・演出やテーマパークのショー演出、更に映画監督としても大活躍中の細川徹が脚本・演出を担当。明治座創業150周年に相応しい、華やかで賑やかな舞台が展開される。
そんな作品で一国一城のお殿様を演じる松平健と、その奥方の檀れいが、祝祭公演に臨む意気込みや、明治座という劇場そのものが持つ魅力を語ってくれた。
芝居見物の一日がまるごと娯楽になる

松平健(右)&檀れい=中村嘉昭 撮影
──娯楽の殿堂と謳われる明治座の創業150周年を祝う演目に出演されるお気持ちから教えてください。
松平 150年というのは、本当に大変な歴史ですし、そんな伝統ある劇場の記念公演に呼んでいただけことをとても嬉しく思っています。絶対にこの公演を成功させて、お客様に喜んでいただきたいですね。
檀 大好きな明治座さんが150周年を迎えられることはとても嬉しいことですし、ましてやその記念すべき年にこうして舞台に立たせていただけるのはこの上ない喜びです。オファーをいただいた時には飛び上がるほど嬉しくて! しかも松平健さん、コロッケさん、久本雅美さんとご一緒させていただけるということで、今からワクワクドキドキしています。
──それぞれが単独で座長を務められる方々が集まられている本当に豪華な公演ですが、今「大好きな明治座さん」というお言葉もいただきましたが、明治座という劇場自体の魅力をどう感じていらっしゃいますか?
松平 劇場全体がひとつの娯楽になっていて、その醍醐味を芝居と両立させせられるところがまず一番なのかなと。お客様にとっては、もちろん芝居を観ることも楽しみだし、そこで買い物や食事も存分に楽しんでもらえる。芝居見物の一日がまるごと娯楽になるところは、いまなかなかないと思いますので、それはやはり大きな魅力ですね。
檀 これは私が初めて明治座さんに立たせていただいた時に思ったことなのですが、劇場の周りに出演者の幟が立っていますよね。自分の幟を見た時に私自身もとても嬉しかったのですが、ここに足を運んでくださるお客様もその幟を見て、「今日はお芝居を観るぞ! 楽しむぞ!」という気持ちがグッと高まると思うんです。もちろんお芝居の内容にも色々なテイストのものがありますし、松平さんもおっしゃいましたが、休憩時間に売店やお食事処でも色々と楽しむことができて、劇場まるごとでお客様を歓待している。そのおもてなしの心がとても素敵だなと、明治座さんの舞台に立たせていただくたびにいつも思います。
──確かに劇場全体がテーマパークのようで、入った瞬間からテンションがあがりますが、舞台から客席をご覧になった時の景色や、演じられて感じるところはいかがですか?
松平 新しい明治座として建て替えられてからは、お客様をとても近く感じるようになりましたね。距離感が近いというのかな。それが演じていても楽しいところですし、お客様も1番後ろからでも、2階席などもからもとても観易いのではないかと思います。
檀 2階、3階の桟敷席にあたる位置に提灯が下がっていて、芝居小屋という感覚が強いですし、花道がストンと客席を通っていて、花道の近くに座ると役者さんが自分の目の前でお芝居をして、それを下から見上げるという楽しみもあります。演じる側としてもそうした劇場の雰囲気や、お客様が楽しまれている空気が伝わってきて、皆さまと一体となってお芝居ができると思えるのが素敵ですね。
◆公演情報◆
明治座創業150周年記念前月祭
『大逆転!大江戸桜誉賑(だいぎゃくてん!おおえどかーにばる)』
2023年3月4日(土)~3月28日(火) 明治座
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本・演出:細川 徹
[出演]
松平 健 コロッケ 久本雅美 檀 れい
荒木宏文/田島芽瑠/丹羽貞仁 真砂京之介/上川周作
山崎銀之丞 梅垣義明 ほか
〈松平健プロフィル〉
1975年、フジテレビ系ドラマ『座頭市物語 心中あいや節』でデビュー。時代劇を中心に活躍し、ドラマ『暴れん坊将軍』は約25年(全832回)に渡り主演を務め、代表作となっている。2004年にシングル「マツケンサンバII」が大ヒットを記録し、幅広いファンから注目を集めた。
★公式サイト
〈檀れいプロフィル〉
1992年、宝塚歌劇団に入団。1999年より月組トップ娘役、2003年からは星組トップ娘役を務める。2005年に退団。2006年、『武士の一分』でスクリーンデビューを果たし、第30回日本アカデミー賞優秀主演女優賞及び新人俳優賞など、数々の賞を受賞。映画やドラマ、舞台で幅広く活躍中。
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