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藤井聡太は、「将棋の神様」を挑むように見ていた

朝日杯将棋オープン戦を生観戦して

青木るえか エッセイスト

 2月23日、『朝日杯将棋オープン戦』を生観戦した。そして、藤井聡太という棋士の凄さを見せつけられてきた。

 藤井聡太がどう凄いのか、将棋をまったく知らない人にもわかるように、今さらであるが説明してみたいと思う。

朝日杯将棋オープン戦拡大朝日杯将棋オープン戦で優勝した藤井聡太竜王=2023年2月23日、撮影・筆者
 藤井聡太という人がこれほど名を成しているのは「あんなに若くて、とても強い」からだと、多くの人は思っていると思う。

 それはその通りで、若くて強いことに関しては、「まだ20歳なのに、呆れるほど強い」。

 将棋を知らない人に「藤井聡太ってどれぐらい強いの〜?」と聞かれるたびに、「死ぬほど強い。鬼のように強い。イヤになるほど強い」と言っている。

 それも「超横綱相撲」的な強さ。

 「悠然と立ち、相手がぶつかってくるのを悠然と受け、相手のまわしを悠然と取って寄り切り」。そういう強さ。10代の頃から。

 こういうのって、往々にして「つまらない」とか言われたりするものだが、つまらないのも度を越すと「すげえ……」とひれ伏さざるをえなくなる。「恐怖の大魔王というのは、物静かに笑っている藤井聡太みたいなものなのではないだろうか」と思うようになった。それぐらい強い、藤井聡太。

 で、それだけではないのだ。

 私は初めて藤井聡太をナマで見た時に驚いた。

 「あ、これは……まゆゆだ」


筆者

青木るえか

青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト

1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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