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高校演劇の「春」〈下〉―人間と社会を掘り下げ、応援した

大分市での「春フェス」、豊かな実りを実感

工藤千夏 劇作家、演出家

 全国で一斉に花開いた、この春の高校演劇の舞台。工藤千夏さんによるレポートの後編です。3月下旬に開催された「春フェス」をたっぷり紹介します。前編はこちら

全国10校が集う、3年生も参加OK!

拡大大分市で開催された「春フェス」の看板=秋月大輔撮影、大分県高等学校文化連盟演劇専門部提供
 第17回春季全国高等学校演劇研究大会、通称「春フェス」は、大分市のJ:COM ホルトホール大分で3月24日から3日間開催された。同じの週末には、全国で多くの高校演劇が上演されていて、あれもこれも観たいと悩みながらも私は大分に向かった。

 以下は、各ブロック大会において春フェス大分大会に推薦され、2022年度最後の上演機会を得た幸運な作品群だ。年度をまたがない春フェスは、夏の全国大会のときにはもう高校生ではなくなっている3年生も、希望すれば参加できるための大会なのである。

四国ブロック 香川県立高松桜井高校『Gifted』川田正明+高松桜井高校演劇部(顧問生徒創作)

近畿ブロック 大阪府立岸和田高校『オドリ・バリデ・ジュー』鈴木 研太(井原一葉補作/顧問創作)

東北ブロック 山形県立鶴岡中央高校『明日は救世主』木村麻由子(顧問創作)


関東ブロック 埼玉県立芸術総合高校『Midnight Girlfriend』稲葉智己(翻訳・翻案/顧問創作)

中部日本ブロック 愛知県立松蔭高校『フートボールの時間』豊嶋了子と丸高演劇部(既成)を藤澤順子(顧問潤色)

九州ブロック 宮崎県立宮崎南高校『誰かのための、芋けんぴ』河原美那子と宮崎南高校演劇部(顧問生徒創作)

中国ブロック 岡山学芸館高校『骨を蒔く』柳雅之(顧問創作)

関東ブロック 千葉県立松戸高校『ある海が見える丘の物語』阿部順(顧問創作)

北海道ブロック 札幌北斗高校『イチゴスプーン』須知英生(顧問創作)

開催県代表 大分県立豊府高校『エールの時間』中原久典(既成)

拡大大分市で開催された「春フェス」会場。㊧入り口はバルーンで飾られ、㊨観客は上演の感想を書いてボードに貼った=秋月大輔撮影、大分県高等学校文化連盟演劇専門部提供


筆者

工藤千夏

工藤千夏(くどう・ちなつ) 劇作家、演出家

ニューヨーク市立大学大学院演劇科修士課程修了。1992年「青年団」入団、2003年より演出部に所属し「うさぎ庵」を主宰。代表作に『コーラないんですけど』、『真夜中の太陽』(原案・音楽:谷山浩子)など。青森市を拠点にする劇団「渡辺源四郎商店」のドラマターグ。日本劇作家協会評議員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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