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ネット時代の図書館の可能性

地域活性化の起爆剤になりうる

高木利弘 株式会社クリエイシオン代表取締役、マルチメディア・プロデューサー

 英語には「Think different(シンク・ディファレント)」という言い方がある。「発想を変えよう」という意味で、1997年、当時危機的状況にあったアップルにジョブズが復帰し、真っ先に掲げたスローガンである。そして、ジョブズは文字通り「発想を変える」ことによってアップルを救い、その後の大躍進につなげていった。

拡大図 長野県の小布施町にある「まちとしょテラソ」の案内のページ

  こうした発想の転換の重要性は、色々な分野で言えることなのだが、最近、図書館をめぐって、まさにこうした事態が起きている。

電子書籍の時代に変わる図書館の役割

 もともと地域の知の中心としての役割を期待されている図書館に関しては、最近あまりいい話を聞かない。

  ひとつは、図書館と出版業界との攻防である。出版業界が斜陽化する一方で、図書館の利用者数が伸びている。両者は持ちつ持たれつの関係のはずなのだが、現在の図書館は、出版業界から「ベストセラーを大量に貸し出しすることによって、出版社の利益を損ねている」という批判を浴びている。

 この議論は「電子図書館」をめぐる主導権争いにも通じている。

 電子図書館は、本を「蔵書」するのではなく、オーバードライブなどと呼ばれる業者、あるいは出版業界が共同で運営する業者側のサーバーに電子書籍をファイルとして収容する。

 そして図書館は、単にサーバーにアクセスする形で、貸し出し業務だけ行う形態が想定されている。その結果、 ・・・ログインして読む
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筆者

高木利弘

高木利弘(たかぎ・としひろ) 株式会社クリエイシオン代表取締役、マルチメディア・プロデューサー

1955年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。「MACLIFE」などのIT系雑誌編集長を経て、96年から現職。著書に、『The History of Jobs & Apple』(晋遊舎)、『ジョブズ伝説』(三五館)、『スマートTVと動画ビジネス』(インプレスジャパン)など。