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元陸将 山口昇氏に聞く

「なんとなく」が縛ってきた自衛隊 憲法を国民のものにするために

山口昇 元陸将、笹川平和財団参与、国際大学副学長

 自衛隊の中で憲法9条はどう語られ、どのような影響を与えてきたか。元陸将で、陸上自衛隊研究本部長などを歴任し、防衛大学校(防大)教授も務めた山口昇さんに聞きました。この憲法は自分たちのものだという思いを共有するため「改正することに意味がある」と話し、安倍政権の改正案についてもざっくばらんに語りました。(聞き手:朝日新聞記者・古城博隆)

(撮影:吉永考宏)拡大(撮影:吉永考宏)
――憲法9条は長年の課題となっていましたが、安倍政権が9条2項を残したまま自衛隊を明記するという改正案で憲法改正をしていこうという話になってきています。まず、改正案について率直に賛成か反対かをお聞かせください。

山口 改正することは賛成です。一番大きい理由はこれまで憲法を改正したことがないということです。もう一つは戦争に敗れ、占領された翌年に起草している。そういうときに作られた憲法であることが背景にあり、なんとなく国民は自分のものだという気がしていないという点です。私は基本的に今の憲法は好きですけど、自分で作ったというオーナーシップを共有するためには、条項を問わず改正するという手続きは極めて有効だと思います。改正の議論をすること、あるいは改正の手続きをすることに意味があって、国民が自分のものとして憲法を見直すという意味で重要だと思います。今は9条2項を残したままという話です。これまでは2項の解釈で自衛隊は最小限の防衛力というか実力を持つべきだという解釈です。「自衛隊」を明文化しても基本的なラインはほとんど変わりません。

――「今の憲法が好き」とは、どういう意味ですか。

山口 特に前文の後半が大好きですね。「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」という部分。これを体現するためには安倍政権が言う「積極的平和主義」が今特に必要なのだと思います。

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筆者

山口昇

山口昇(やまぐち・のぼる) 元陸将、笹川平和財団参与、国際大学副学長

1974年防衛大学校卒、フレッチャー法律外交大学院修士課程修了。ハーバード大学オリン戦略研究所客員研究員、防衛研究所副所長、陸上自衛隊研究本部長などを歴任した後、2008年12月退官(陸将)。09年4月~15年3月防衛大学校教授。11年3~9月内閣官房参与。