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1日の使い方を自分で決める

〝いいとこ取り〟の猟師生活

千松信也 猟師


拡大卵は自家養鶏で自給している。ニワトリは子どもたちのよい遊び相手でもある

山はスーパーマーケット

 僕が猟を始めたのは大学生の頃。大学での勉強に意義を見いだせず、4年目の春から4年間休学していた。学費・生活費も自分で稼がないといけなかったので、最初の1年はひたすらバイトに精を出したが、その後は海外を放浪したり、なんでも面白そうなことに手を出したりしていた。狩猟免許を取って罠猟を始めたのも、最初はそんな〝面白そうなこと〟の一つでしかなかった。

 子どもの頃から動物が好きで、動物たちと関わる暮らしがしたいという思いは常々あったが、貧乏学生だった当時の僕はどっちかと言うと「がんばれば、何十キロもの肉がタダで手に入るなんて最高やん」というような単純な動機で猟を始めた。

 それが、気づけば今年でもう19年目になる。最初は「猟師になる!」なんて気持ちは全然なく、気軽に始めたのだが、それがどっぷりとハマってしまい、8年後には『ぼくは猟師になった』なんてタイトルの本まで出してしまったのだから面白い。

 ちなみに、猟師だと言っても僕は自分が獲った獲物の肉を販売して生計を立てているわけではない。自分や家族、友人たちで分け合って1年間で食べ切れるだけの量の獲物を1シーズンで捕獲する。それは数で言えば、シカ・イノシシ合わせて10頭程度。肉200キロくらいだ。

 「猟で金を稼いでいない」と言うと、「だったら、それは趣味みたいなもんなんじゃないですか?」と言われ

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筆者

千松信也

千松信也(せんまつ・しんや) 猟師

1974年、兵庫県生まれ。京都大学文学部卒。大学時代に狩猟免許を取得し、現在も運送会社で働きながら京都で罠猟を続ける現役猟師。著書に『ぼくは猟師になった』(新潮文庫)、『けもの道の歩き方 猟師が見つめる日本の自然』(リトル・モア)など。