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情報技術と現代の時間感覚

強要される時間の自己管理

鈴木謙介 関西学院大学社会学部准教授

消費社会の「内破する時間」

 「マクドナルド化」などの概念を提唱したことで知られる社会学者のジョージ・リッツァは近年、高度に発達した資本主義のシステムの特徴として「内破(ないは)」を挙げている(『消費社会の魔術的体系―ディズニーワールドからサイバーモールまで』明石書店、邦訳2009年)。

 内破とは、以前は別々に区切られていたものが、その境界を失って融合していく動きのことである。その中でも特に彼が注目しているのが「時間の内破」だ。

 産業社会化が進行していた、いわゆる高度成長期における代表的な消費とは、日曜日に家族揃(そろ)って行うものだった。つまり「平日」と「休日」が明確に区分され、消費は休日に行うものと捉えられていたのだ。営業時間が深夜に及ぶこともなかった。現在でも個人経営の店に見られるように、夕飯どきには店を閉め、また「都合により休み」にすることもできたのだ。

 1974年に施行された大規模小売店舗法は、まさにこうした

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筆者

鈴木謙介

鈴木謙介(すずき・けんすけ) 関西学院大学社会学部准教授

1976年、福岡県生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程単位取得退学。関西学院大学先端社会研究所所長。TBSラジオ「文化系トークラジオLife」のパーソナリティーも務める。専門は理論社会学・情報社会論・グローバル化論。著書に『未来を生きるスキル』『ウェブ社会のゆくえ―〈多孔化〉した現実のなかで』など。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです