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「うんこ」と「おしり」、タブーが消えた

先の見えない令和時代を予測するための10冊

原田曜平 マーケティングアナリスト

平成時代の「ペルソナ」

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 以上3冊が時代を読むための方法論的書籍であるとすれば、次に必要となるのは実際に時代を貫徹する眼差しを学ぶことだ。そこで我々がつい先日まで過ごしてきた時代、平成について深く分析してみようではないか。

 まず確認すべきは、1984年のベストセラー、渡辺和博の『金魂巻』である。一昔前から、マーケティング業界では「ペルソナ」というワードが流行している。これは、データやインタビューをもとに、架空の人物(ペルソナ)を構築し、ペルソナの趣味嗜好や休日の過ごし方、ライフスタイルに合わせてマーケティング戦略を考えるというものである。本書はそれに近い形で様々な職種、例えばお父さん、カメラマン、看護婦などの「マル金・マルビ」双方のライフスタイル、いわばペルソナを描き出したものである。
例えば金持ちお父さんは、世田谷生まれでおじいちゃんの会社の取締役を務め、授業参観には10分しか参加できず、ホテルオークラの桃花林に連れて行ってくれる。愛読書はベン・ホーガンの『モダン・ゴルフ』である。

 一方貧乏父さんはというと、千葉の八千代台に一軒家を持ち、デニーズのステーキがご馳走である。缶詰工場の部門責任者で、メガネドラッグのメガネを愛用している。

 この例から分かるように、本書があくまでソフトにかつ客観的に描き出したのは「格差」の実情であった。昭和末期にありながら平成の時代を象徴する生活水準の「格差」の匂いを、著者は早くから感じ取っていたのだ。

 それに対し、私の知人でもある真鍋昌平の『闇金ウシジマくん』は、もはや
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筆者

原田曜平

原田曜平(はらだ・ようへい) マーケティングアナリスト

慶応義塾大学商学部卒業後、株式会社博報堂に入社し、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを務める。退社後、マーケティングアナリストとして活動。若者研究とメディア研究を中心に、次世代に関わる様々な研究を実施。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです