シンガポールに旅行した時、現地の350.orgのメンバーで、物理教師をしているデイブさんに会った。彼は、昼飯を食べながら「このまま気温上昇が続けば私たちの未来は危ない」と語った。そして気温が4度上昇した世界の地図を私に見せた。
私は目を疑った。地図には「低緯度の国は、干ばつや洪水で住むことが不可能になる」とあった。「氷が解けた南極で作物を育てることができるようになるだろう」とも書かれていた。デイブさんは「もしこんなことになったら、低緯度地域の人たちは移動せざるを得なくなる」と語った。大量の気候難民が生まれ、紛争が起こってもおかしくない。世界平和にも関わる問題だ。その地図で日本は、干ばつを示す茶色に塗られていた。このまま気候変動が進めば、自分たちの未来はなくなり、争いや異常気象に悩まされることになってしまう。
ちょうどそのころ、16歳のスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの動画を見た。彼女の発言は深く胸に刺さった。
「あなたたち大人は嘘つきだ。私たちに未来は希望を持つべきものだと言った。しかし現実はどうか。あなたたちは私たちの未来を奪っている」「2070年、私には子供がいることでしょう。その時、彼らは言うかもしれません。なぜ、あなたたちは、まだ時間があった時に何も対策をしなかったのかと」
すでに干ばつ、洪水、台風などで、多くの人たちが苦しんでいる。化石燃料を燃やし続ければ、もっと大きな気象災害に見舞われるようになるかもしれない。いま行動を起こさなければ、未来を守ることができなくなる。この恐怖や危機感を共有したいと思った。
彼女が始めた「Fridays For Future(フライデー・フォー・フューチャー、FFF)」、別名「学校ストライキ」の日本でのアクションがあると聞き、参加した。
今年2月に最初に国会前でスピーチをした時の参加者は20人程度だったが、3月には約100人、5月は約300人と増えていった。9月の「グローバル気候マーチ」には東京では約2800人、全国で約5000人が参加した。
2月のアクションに参加した高校生は僕一人だった。「声を上げる高校生はまだ少ないのか」と
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