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次世代通信規格5Gの衝撃

メディアはどう変わる? 

小林啓倫 経営コンサルタント

 人々の「見たい」「知りたい」という欲求が、メディア環境の進化をもたらす。日本では1959年の皇太子(当時)ご成婚を機に白黒テレビが普及し、1964年の東京オリンピックは多くの人々が競技をテレビで観戦したことから、「テレビオリンピック」などと呼ばれている。またその東京オリンピックを契機として、各社がカラーテレビの普及に力を入れるようになり、オリンピック開催から10年も経っていない1973年までに、カラーテレビの普及率が白黒テレビを上回るまでに至った。

 そして今年2020年の東京オリンピック・パラリンピックで注目されているのが、移動通信技術「5G」だ。「G」は「Generation(世代)」の略で、現在普及している4Gの次を担う通信規格であり、日本では2020年からの商用サービス開始に向けて関係機関・企業の動きが活発化している。

 5Gは次世代の通信として、従来よりも高速な通信を可能にするなどの優れた特性を持っており、メディアをさらに進化させることが期待されている。それを裏付けるかのように、昨年日本で開催されたラグビーW杯において、5G技術を活用したパブリックビューイングが開催され注目を集めた。10月13日に東京・汐留で行われたこのイベントでは、日本対スコットランド戦が中継されたのだが(この試合は日本が勝利して初のW杯決勝トーナメント進出を決定した)、5G回線を一部使うことで、400インチの大型スクリーンに4K映像で試合の様子が映し出された。さらに観客はLGエレクトロニクス製の5G対応スマートフォンを使うことで、中継映像のアングルの切り替えや、選手ごとのプレー内容に関するデータ、さらにはリプレー映像などさまざまなコンテンツを楽しむことができた。

 5Gではこのように、提供されるコンテンツ、そして提供の方法がさらにリッチなものになると期待されている。一方で現在行われている先行デモンストレーションは、あくまで企業側の思惑を重視したものであり、消費者側がどこまで反応を示すのか疑問視する声も根強い。本稿では、5Gの概要を整理した上で、それがメディアをどう変える可能性があるか考えてみよう。

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筆者

小林啓倫

小林啓倫(こばやし・あきひと) 経営コンサルタント

1973年東京都生まれ。筑波大学大学院地域研究研究科修士課程修了。システムエンジニアを経て、国内ベンチャー企業、外資系コンサルティングファームなどで活動。著書に『IoTビジネスモデル革命』(朝日新聞出版)、『今こそ読みたいマクルーハン』(マイナビ新書)など。