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「あはれ」から「無常」への9年

危機を憶いださねばならない理由

玄侑宗久 作家、福聚寺住職

逃げ惑った人々

 また双葉病院の入院患者たちも「いとあはれ」だった。後になれば飯舘村の特養のように、そのままそこにいる、という選択肢もあったことに気づかされたが、当時の原発事故への恐怖心を考えれば単純にスタッフたちを批判はできない。特に見えない・匂わない・聞こえない、という感知できない放射能への恐怖は、おそらく

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筆者

玄侑宗久

玄侑宗久(げんゆう・そうきゅう) 作家、福聚寺住職

1956年、福島県三春町生まれ。慶応義塾大学卒。2001年、「中陰の花」(文藝春秋)で第125回芥川賞受賞。11年、東日本大震災被災青少年支援のための「たまきはる福島基金」理事長。14年、『光の山』(新潮社)で芸術選奨文部科学大臣賞。小説以外にも『福島に生きる』(双葉社)、『祈りの作法』(新潮社)など著書多数。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです