小林恭子(こばやし・ぎんこ) 在英ジャーナリスト
読売新聞の英字紙「デイリー・ヨミウリ」(現Japan News)の記者を経て、2002年渡英。政治やメディアについて多数の媒体に寄稿。著書『英国公文書の世界史 一次資料の宝石箱』(中公新書ラクレ)、『フィナンシャル・タイムズの実力』(洋泉社)、『英国メディア史』(中公選書)。共訳書『チャーチル・ファクター』(プレジデント社)。
※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです
顔の見える報道が伝える共感
そんな時に、感染した若者自らがベッド上から症状を訴えることには大きな意義があった。苦しそうにせき込みながら、カメラに向かって「頼むから、外出しないで」「手を洗うように」「私のような目に遭わないように気をつけて」と訴えたからだ。「感染は誰にでも起こりうる」という意識が醸成されていった。
これまでの英国のコロナ禍報道を振り返ると、常に中心に据えられてきたのが「実名・顔出し」で登場する個人だった。感染の
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