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百田尚樹現象に敗れたメディアへの対し方を探る

石戸諭 記者、ノンフィクションライター

新聞の慢心とネットの限界

 私は、そのときインターネットメディアの可能性と限界について考えていることが多かった。新聞における8月ジャーナリズムの基本的なパターンは過去の模倣であり、変化はあまりにも些細なことにしかなかった。かつて私も経験したことがあるが、8月に掲載される特集向けの取材は、2カ月ほど日々の仕事から外れ、それだけに邁進することが許される。だが、結果として掲載されるのは――これは私の力不足もあったが――どこかで読んだ話になってしまう。「平和は大事である。だから伝えるのだ」という姿勢さえあれば、多少つまらない記事でも許され、評価する側も「大切なこと」を理由にマンネリ化された伝え方を肯定しているように思えた。一体、誰がこのような伝え方で読むのかと悩まされることが多かった。

 では、新聞の「次」を期待され続けてきたインターネットメディアはどう

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筆者

石戸諭

石戸諭(いしど・さとる) 記者、ノンフィクションライター

1984年、東京都生まれ。立命館大学法学部卒業後、2006年に毎日新聞入社。大阪社会部、デジタル報道センターを経て、16年にBuzzFeed Japanに移籍。18年4月に独立し、フリーランス。著書に『ルポ 百田尚樹現象~愛国ポピュリズムの現在地』(小学館)、『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房)。