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見えにくい不条理の連鎖 沖縄の真の負担軽減を

滝本匠 琉球新報東京支社報道部長

返還PR、何だったのか

 さらにコロナ禍の中でも、普天間飛行場周辺では、米海兵隊の輸送機MV22オスプレイなどが、騒音軽減のために日米で結んだ航空機騒音規制措置(騒音防止協定)で制限されている午後10時以降の夜間飛行を繰り返している。協定があっても「運用上の所要のために必要」であれば制限から除外されるため、夜間飛行は続く。新型コロナで政府が緊急事態宣言を発出中の5月上旬はもちろん、米軍基地内でも感染が広がり米軍トップが「ロックダウン(基地閉鎖)」を宣言した後の7月も米軍機は変わりなく夜間飛行を続けている。米軍機の運用によるものとみられる影響で、宜野湾市内ではテレビの地上デジタル放送に受信障害が起こり、その苦情も絶えない。

 一方で嘉手納基地の周辺では、夜間早朝の米軍機の訓練による騒音やエンジン調整音、悪臭に悩まされている。新型コロナの影響で在宅時間が長くなっている中、住民の負担は増すばかりだ。住宅地に近い駐機場の運用も含めて嘉手納町の當山宏町長が5月、防衛省の沖縄防衛局に対し「これ以上の基地負担と生活環境の破壊は許されない」と負担軽減を求めてあらためて要請している。

 嘉手納基地内には、町民が暮らす住宅街に近い場所に旧海軍駐機場がある。1995年の少女乱暴事件を機に、沖縄の負担軽減を考えるために日米が設置した日米特別行動委員会(SACO)で移転が合意され

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筆者

滝本匠

滝本匠(たきもと・たくみ) 琉球新報東京支社報道部長

1973年、大阪府岸和田市生まれ。京都大学卒。98年 琉球新報入社。社会部、八重山支局長(石垣市)、政経部基地担当、ワシントン特派員などを経て2018年4月から現職。共著に『呪縛の行方』(琉球新報社)、『沖縄フェイク(偽)の見破り方』(高文研)、『琉球新報が挑んだファクトチェック・フェイク監視』(同)など。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです