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黒人への執拗で不条理な暴力――BLMの読み解きに必要な10冊

荒このみ 東京外国語大学名誉教授

南部の様子、読者に衝撃

 さて、そのような「アメリカの黒人」の問題を考えるにあたって、一つの区切りになる歴史的出来事は、1964年の公民権法成立と、翌65年の投票権法成立である。

 そこにいたるまでのアメリカ社会における「アメリカの黒人」の立場を、私たちは知っておかねばならない。

 ジョージア州選出の連邦下院議員を長年務め、今年7月に亡くなったジョン・ルイス(1940~2020年)は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとともに公民権法成立のため、「アメリカの黒人」の自由のために闘った一人だった。その遺体が米連邦議会議事堂の円形広間に安置され、超党派による追悼式典が行われた。米連邦議会のこのような待遇は前例のないことであり、21世紀の時代の変化を感じさせたが、バイデン前副大統領は参加したものの、トランプ大統領は

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筆者

荒このみ

荒このみ(あら・このみ) 東京外国語大学名誉教授

1946年、埼玉県生まれ。69年、お茶の水女子大学卒業。76年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京外国語大学教授などを歴任。著書に『アフリカン・アメリカン文学論』(東京大学出版会)、『黒人のアメリカ』(ちくま新書)、『歌姫あるいは闘士 ジョセフィン・ベイカー』(講談社)など。訳書に『「他者」の起源』(トニ・モリスン著、集英社新書)、『風と共に去りぬ』(M・ミッチェル、岩波文庫)ほか。