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社会や経済をうまく回すヒント ――進化生物学を知るための10冊

長谷川英祐 進化生物学者、北海道大学大学院農学研究院准教授

アリ・ハチのコロニー進化

 3冊目は、ハミルトンと並んで進化生態学の世界でゲーム理論の研究者として著名なメイナード・スミスらの『進化する階層』だ。〈単細胞〉→〈多細胞〉のように、生物には進化の過程でいくつかの飛躍的な転換点があり、それが進化の歴史にどういう意義を持っているかを論じている。もちろん、アリ・ハチの個体が集合して作る、コロニーの進化もその階層的な飛躍の一つに含まれる。1匹では同時に複数の仕事をこなすことは出来ないが、複数個体だとコロニー全体は同時にいくつもの仕事をこなせる。これは進化論的にはあまり注目されていないが、集団生活する生物にとって非常に大きなメリットを持つ。注目されないのは、自然選択説では

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筆者

長谷川英祐

長谷川英祐(はせがわ・えいすけ) 進化生物学者、北海道大学大学院農学研究院准教授

1961年、東京都生まれ。子どもの頃から昆虫学者を夢見る。大学時代から社会性昆虫を研究。卒業後は民間企業に5年間勤務。その後、東京都立大学大学院で生態学を学ぶ。主な研究分野は社会性の進化や集団を作る動物の行動など。著書に『働かないアリに意義がある』(メディアファクトリー新書)、『面白くて眠れなくなる生物学』(PHP文庫)など。趣味は、映画、クルマ、釣り、読書、マンガ。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです