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安倍政権から続く公文書隠蔽 トップダウンで終止符を

大場弘行 毎日新聞社会部記者

消えるメール

 同僚と手分けをして、手当たり次第に現役官僚に取材をかけた。その証言から隠蔽の実態が少しずつ見えてきた。

 その一つが、公用電子メールが公文書としてあつかわれていないことだった。

 官僚たちは日に10~100通ほどを送受信し、近年は紙の報告書にとって代わり、重要なことまで書かれるようになっていた。たとえば、政策や法案の協議内容から議員とのやりとりの報告などだ。しかも、官僚自身も過去のメールを見ないと政策立案などのプロセスがわからなくなっているという。その重要性は明らかだった。

 公文書管理法は公文書を「職務上作成・取得し、組織的に用いるために保有している文書」と定義し、メールのような「電子の記録」も該当するとしている。わかりやすく言えば、国の職員が仕事に使うために同僚らとシェアしている文書は公文書になる。メールは最低でも送受信者の2人でシェアするから、ほとんどが公文書になるはずだ。ところが、官僚の多くはこんな理屈を持ち出してそうはしていなかった。

 「メールのやりとりは電話で話すようなもの。文書とは言えない」

 「メールは何も考えずに捨てている」という証言も多かったが、ある省の課長級職員は悪びれることなく言った。

 「メールが情報公開の対象になりそうな場合、消去したことにして

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筆者

大場弘行

大場弘行(おおば・ひろゆき) 毎日新聞社会部記者

1975年生まれ。2001年、毎日新聞社入社。大阪社会部府警担当、東京社会部検察担当、特別報道部などを経て現職。19年、「公文書クライシス」取材班代表として早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。著書に『公文書危機 闇に葬られた記録』(毎日新聞出版)。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです