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政治と市民の関係を変える 国会パブリックビューイング

上西充子 法政大学教授

野党議員と市民がつながる

 第2に、市民が国会審議を見守ることは、野党の議員と市民をつなぐ意味がある。ニュースでは政府がどういう方針を決めたとか、首相が何を語ったとかは日常的に報じられるが、野党議員の動きは「与野党攻防」のような政治的な駆け引きの文脈でしか紹介されないことが多い。けれども国会審議を見れば、野党議員が国会で法案の問題点を指摘し、行政監視機能も果たしていることが見えてくる。政府が取り上げずにいる課題を指摘し対策を提案していることも見えてくる。政党によるスタンスの違いも、議員の個性も見えてくる。

 19年2月4日の衆議院予算委員会における小川淳也議員の統計不正に関する質疑や、同年11月8日の参議院予算委員会における田村智子議員の「桜を見る会」に関する質疑は、見る者にも論点がわかるように緻密に組み立てられ、質疑を追う中で問題の全体像が次第に見えてくる

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筆者

上西充子

上西充子(うえにし・みつこ) 法政大学教授

1965年、奈良県生まれ。法政大学キャリアデザイン学部教授、同大学院キャリアデザイン学研究科教授。専門は労働問題。2018年から、「国会パブリックビューイング」代表。著書に『呪いの言葉の解きかた』(晶文社)、共著に『日本を壊した安倍政権』(扶桑社)など。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです