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沖縄の人々の代弁者として 許されぬ傍観、地元紙の矜持

地方からの問い(上)

島 洋子 琉球新報社取締役編集局長

 政府が新たな安保関連3文書を閣議決定し、日本の安全保障政策は大きく転換した。「台湾有事」を想定し、南西諸島の防衛力強化を掲げて沖縄を戦略的な拠点と位置付け自衛隊配備を強化する。

拡大首相官邸での記者会見で、国家安全保障戦略などについて説明する岸田文雄首相=2022年12月16日、首相官邸ホームページから

 沖縄では、過重な米軍基地負担に加え、有事に巻き込まれるリスクなど安保政策の「しわ寄せ」が県民に向かう懸念が高まっている。政府は抑止力と言うが、その強化がかえって地域の緊張を生み、不測の事態が起きかねない。また、政府の考える「有事」対処法は、本土決戦までの時間稼ぎのために地上戦に突入していった沖縄戦の歴史とも重なる。

 今年、創刊130年を迎える琉球新報は、太平洋戦争直前、当時の新聞3紙が統合され、大本営発表を垂れ流して戦意高揚をあおり、結果として沖縄戦の悲劇に加担した。私たちは沖縄戦における深い反省をふまえ、県民を二度と戦争に巻き込んではいけない責務があると考える。それだけに軍靴の音を逃さず県民に伝えなければならない。

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筆者

島 洋子

島 洋子(しま・ようこ) 琉球新報社取締役編集局長

1967年、沖縄市出身。91年、琉球新報社入社。東京報道部長、政治部長、経済部長、編集局次長兼報道本部長、広告事業局次長を経て、昨年6月から現職。連載企画「ひずみの構造―基地と沖縄経済」で2011年平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞。著書に『女性記者が見る基地・沖縄』、共著に『ひずみの構造―基地と沖縄経済』『女子力で読み解く基地神話―在京メディアが伝えない沖縄問題の深層』など。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです