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EU・米国における企業結合(M&A)規制の最新動向

若林 順子

利益に向けて公正な競争を担保すべく積極的に競争政策を執行するという基本的な姿勢からすると、市場画定の具体的な改定案を含め、今後も規制を強化する方向での対応を打ち出す可能性が高いと思われる。特に欧州で事業を行う企業が絡むM&Aについては、規制強化の対象となる可能性があり、今後の立法の動向を注視し、対応していく必要がある。

 米国は、上記3(3)-(5)から明らかなように、民主党バイデン政権の主導の下、競争法を従来よりも積極的に執行する方向へ転じる旨が明確に打ち出されており、企業結合もその対象に含まれている。大統領令で明示されている分野は勿論であるが、そうでない分野も含め、コロナ禍で米国社会の分断が一層拡大していると言われる中で、特に米国市場において一定以上のプレゼンスのある企業が関与するM&A全般について、企業結合の審査が従前よりも厳格に行われる可能性が高いと考えられる。そのようなM&A案件においては、米国市場への影響を慎重に検討するとともに、当局から市場への悪影響の疑いが持たれる可能性が考えられる場合は、届出前の相談や資料提供を含め、慎重な対応を検討するとともに、審査に時間を要することを踏まえた慎重なスケジューリングが求められることになろう。

 ▽注1:Council Regulation (EC) No 139/2004 of 20 January 2004 on the control of concentrations between undertakings
 ▽注2:欧州委

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筆者

若林 順子

若林 順子(わかばやし・じゅんこ) 

 1997年、東京大学法学部卒業。1997〜2006年、運輸省、国土交通省勤務。2002年、The University of Michigan Law School修了。2003年 、University of Pennsylvania Law School 修了。同年ニューヨーク州弁護士登録。2008年、東京大学法科大学院を修了し、翌年東京弁護士会登録。2021年1月、西村あさひ法律事務所のパートナーに。
 『条解 独占禁止法』(共著、弘文堂、2014年12月)、『競争事業者との情報交換に伴う競争法上のリスク』(共著、会社法務 A2Z No.65 2012年10月号)、『Doing Business In タイ』(共著、2010年10月15日)などの論考がある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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