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東京電力22兆円株主代表訴訟を記者が語るライブトーク動画

奥山 俊宏

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 朝日新聞社の言論サイト「論座」の編集部は8月18日(水)夜、「東京電力22兆円株主代表訴訟を記者が語る」と題して、インターネット上でオンライン記者サロンを開きました。その模様を録画したビデオのうち、前半がこの原稿の冒頭に掲載しました動画です。後半の動画はこの原稿の末尾に掲載しています。

 福島第一原発事故で東京電力が被った巨額の損害を賠償するよう求め、同社の株主が会社に代わって旧経営陣を相手に東京地裁で2012年3月に起こしたのが、東電株主代表訴訟です。今、その審理が大詰めを迎えています。原発事故を起こした責任を追及する本格的な訴訟で、原告と被告はがっぷり四つに組んでいます。刑事裁判の一審では無罪の判決が言い渡されていますが、民事訴訟でどうなるかは予断を許さない状況です。

 オンライン記者サロンでは、これについて、朝日新聞編集委員の奥山俊宏が詳しく説明しました。奥山は、論座の傘下に今年入った法と経済のジャーナル(AJ)で2011年、福島第一原発で事故が進展する最中に東京電力本店の模様を連載し、この原稿をもとに『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書)を出版。株主代表訴訟の法廷で今年に入って行われた被告本人尋問の模様を論座AJで詳しく報じています。オンライン記者サロンでは、『それでも日本人は原発を選んだ』(朝日新聞出版)、『さよなら朝日』(柏書房)などの著書のある「論座」編集部の石川智也記者が聞き手を務めました。

拡大ズーム上で議論する奥山俊宏(左)と石川智也記者=2021年8月18日夜、東京・築地

 記者サロンではまず、株主代表訴訟とはどのようなものなのかについて、大和銀行ニューヨーク支店事件やオリンパス損失隠し事件などを例に挙げて説明しました。

大和銀行ニューヨーク支店事件 「大蔵省護送船団」統治システムの失墜
https://slownews.com/stories/pT3tJ2kHBJA/episodes/U7iKi5ypLwE#start
オリンパス元社長らに588億円支払い命令、東京地裁判決
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2717042800001.html
重責の代償 金融機関元役員らの巨額賠償判決 今世紀に入って相次ぐ
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2710061300002.html

 その上で、東京電力の株主代表訴訟について説明し、刑事裁判との共通点と相違点にそれぞれ言及しました。

「房総沖地震で津波水位14メートル、原発浸水」東電試算
2011年10月06日
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2711100300001.html
福島第一原発事故で東京電力元会長らが起訴された刑事裁判の一審判決の要旨
https://webronza.asahi.com/judiciary/data/2719092000001.html
東電は08年には津波対策をとる方針を決めていた
大詰めを迎えた福島原発事故東電刑事裁判(上)
弁護士 海渡雄一
https://webronza.asahi.com/national/articles/2019010800003.html
検察は起訴を前提に厳しい捜査をしていた
大詰めを迎えた福島原発事故東電刑事裁判(下)
弁護士 海渡雄一
https://webronza.asahi.com/national/articles/2019010800004.html
東電旧経営陣無罪判決、裁判所が犯した七つの大罪
弁護士 海渡雄一
https://webronza.asahi.com/national/articles/2019092400001.html
福島原発事故で検察は最強の特捜ラインで腹をくくって事実固め
ジャーナリスト 村山 治
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2719092400001.html

 刑事捜査と公判で収集された証拠や証言が株主代表訴訟の法廷でも証拠として採用され、それに基づいて東京電力の元役員4人に対する尋問が今年5月から7月にかけて行われました。それらの結果、どのようなことが分かってきているのかを説明しました。

2021年5月27日の被告本人尋問に関する詳報
東京電力元副社長「対策工まで議論がたどりつかず」株主代表訴訟で尋問
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2021060100001.html
2021年6月に勝俣元東電会長ら被告から株主代表訴訟の法廷に提出された陳述書に関する詳報
東京電力元社長ら陳述書「14mの津波がくる可能性」を耳にして三者三様
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2021062500003.html
2021年7月6日の被告本人尋問に関する詳報
東電元副社長の説明に裁判長「聞いていると国の地震本部はバカみたい」と皮肉
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2021070800001.html
2021年7月20日の被告本人尋問に関する詳報
武黒元東電副社長「津波対策、担当がどう考えていたか承知せず」
勝俣元東電会長を東大卓球部5年後輩の名物弁護士が尋問「あなたの責任」
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2021080300003.html

 オンライン記者サロンでは、東京電力が福島の事故からどのような教訓を得ているのか、それを生かしているのかについても、議論しました。

原発を続ける資格:東電の原子力技術者トップ、姉川常務にインタビュー
2014年4月14日
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2714041000001.html

 後半では視聴者と質疑を交わしました。朝日新聞が2014年5月20日の朝刊一面トップで「東日本大震災4日後の2011年3月15日朝、第一原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発へ撤退していた」と報じたものの、その年の9月11日にこの記事を取り消した問題について、記者サロン参加申し込み者から寄せられた「朝日新聞のスクープの吉田調書について、なぜ、謝罪したのか」との質問にも、奥山から意見を述べました。

福島第一所員「命令されて命をかけたのではない」
原発事故、事実と教訓を虚心に見たい
2015年3月15日
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2715031500001.html
事故原発に首相、作業員「怒ってるよ、菅直人、何しに?」
福島第一原発の事故現場回想(1)
2021年3月10日
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2721030900002.html

東京電力「しゃべればいいのに、しゃべらないから言いなりに」
福島第一原発の事故現場回想(4)
2021年3月15日
https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2721030900005.html

 論座(全ジャンルパック)もしくは朝日新聞デジタル(プレミアムコース、ダブルコース)の購読者は以下のリンク先から、オンライン記者サロンで用いたパワーポイントのスライドの一部をPDF化したファイルをダウンロードすることができます。

 株主代表訴訟を説明するためのスライドPDF
 東京電力株主代表訴訟を説明するためのスライドPDF
 津波対策を検討しながらその実施を見送った経緯に関するスライドPDF(一部抜粋版)
 事前質問に関するスライドPDF

 法と経済のジャーナル(AJ)は朝日新聞社のインターネット新聞(ニュースサイト)として2010年7月21日に原稿の発信を始め、2021年6月1日、朝日新聞社の言論サイト「論座」の下に引っ越しました。AJの創刊11周年と論座への合流を記念して、オンライン記者イベントを毎月第3水曜日夜に開催することにしました。その第2回となったのがこの8月18日夜の本イベントです。

 7月21日開催の第1回の模様の動画はこちらから視聴できます:https://webronza.asahi.com/judiciary/articles/2021072400001.html

 論座AJのオンライン記者イベントは「論座AJライブトーク」として、今後も来年(2022年)3月まで月1回、毎月第3水曜日夜に開いていく予定です。第3回は9月15日(水)午後7時から「バブル経済事件『尾上縫』に学ぶリスク管理」と題して開催する予定です。参加のお申し込みはこちらのサイトで:https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11005373

 以下の動画は、東電株主代表訴訟に関する8月18日夜のオンライン記者サロンを収録したビデオの後半です。論座(全ジャンルパック)もしくは朝日新聞デジタル(プレミアムコース、ダブルコース)ご購読の上でご覧く

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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。 近刊の共著書に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に 『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
 ツイッターはhttps://twitter.com/okuyamatoshi
 ご連絡は okuyama-t@protonmail.comに。メールの内容を暗号化する場合はPGPで。パブリックキーのIDは7D2BAD43550EAD96

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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