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パナマ文書など租税回避地の秘密ファイルを記者が語るライブトーク動画

 朝日新聞社の言論サイト「論座」と「法と経済のジャーナル AJ」の編集部は10月20日夜、「租税回避地の秘密ファイルを各国記者と一緒に追う」と題して、インターネット上でトークライブを開催しました。その模様を録画したビデオのうち、前半がこの原稿の冒頭に掲載しました動画です。後半の動画はこの原稿の末尾にパワーポイントスライドのPDFファイルとともに掲載しています。

 カリブ海のイギリス領バージン諸島など法人税ゼロの島に設立された法人や組合に関する電子ファイル群のパナマ文書、パラダイス文書、パンドラ文書……。何者かによって持ち出され、報道機関に提供されたそれらの電子ファイルを世界各国の記者たちが協力して分析し、取材する報道プロジェクトが今回のライブトークのテーマです。それらタックスヘイブン(租税回避地)の秘密ファイルに基づく取材・報道について、朝日新聞の奥山俊宏編集委員が語りました。奥山記者は10年前に、ワシントンDCに本拠を置く国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のメンバーとなり、そうしたプロジェクト取材に最初から参加しています。

拡大奥山俊宏・朝日新聞編集委員

 論座AJ(法と経済のジャーナル Asahi Judiciary)では、タックスヘイブンの秘密ファイルやICIJについて、これまで数多くの原稿を掲載してきています。 「タックスヘイブンに根を張る中国 党幹部親族の名も秘密ファイルに」、 「ルクセンブルク、課税密約文書の大量流出で激震」、 パナマ文書の初報「租税回避地の秘密ファイル 2.6TB 流出 露大統領周辺の資金の流れも」、 パラダイス文書の初報「バミューダ島など租税回避地ファイル1340万件」、パンドラ文書の初報「チェコ首相、ヨルダン国王、ケニア大統領ら各国現旧首脳35人が租税回避地とつながり」はその例です。「『パナマ文書』で世界に衝撃を与えたICIJと朝日新聞はなぜ提携したか」との記事もあります。論座AJライブトークではこれらの取材・報道の経験で分かったこと、感じたことについて奥山記者が話し、また、視聴者の皆様からのご質問にお答えしました。

 当日、寄せられた質問の中には、たとえば、次のようなものがありました。

 この問題、基本は富裕層のいわゆる合法的租税回避にあると思うのですが、そもそもそのような手法を開発しビジネスとして紹介・仲介・案内している金融業者、コンサルタントがいますよね、このようなビジネスにたいする規制はどうなっているのでしょうか?
 その仲介者(金融機関、コンサルタント会社)こういった機関、あるいは個人?の仲介ビジネスに何らかの規制をすることは考えられているのでしょうか?

 これは、ライブトーク当日、不十分な答えしかできなかった質問の一つです。実は論座AJでも取り上げたことのある答弁なのですが、麻生太郎財務相(当時)は2015年3月16日の参院予算委員会で次のように述べています。

 仮に日本の税理士法人が課税上問題のある租税回避スキームに関与するなど税理士業務について問題があると認められた場合には、国税当局としては当然のこととして、税理士、日本のですよ、日本の税理士法に基づく調査等を実施するなどして実態を確認し、必要な指導を行うという必要があろうと思っております。
 (中略)
 税務当局による租税回避スキームの早期把握、租税回避スキームの利用による牽制などを目的として、プロモーターに対して租税回避チーム(スキーム)の税務当局への報告を義務付ける制度の在り方について今議論を行わせております。
 (https://kokkai.ndl.go.jp/txt/118915261X00620150316/426

 租税回避スキーム(タックス・プランニング)の開発・販売者あるいは利用者に税務当局へのスキーム情報の開示を義務付ける「義務的開示制度」(MDR: Mandatory Disclosure Rules)について、国際社会ではその制度化が推奨されています(https://www.oecd.org/tax/beps/beps-actions/action12/)が、日本では、消極意見があって未導入であり、検討課題とされるにとどまっています。

 チャットでは次のような意見も寄せられました。

 内部告発者は、正義の味方です。世の中の不正を暴くキッカケを作ると言う社会的責任を果たしているのです。一部の為政者が大儲けする経済システムは許されません。タックスヘイブンは悪です。

 ライブトークでは、欧州連合(EU)で、パナマ文書の報道を契機として、内部告発者を法的に保護しようとする制度が具体化した経緯など、各国の内部告発者保護法制の進化を説明しました。

 論座(全ジャンルパック)もしくは朝日新聞デジタル(プレミアムコース、ダブルコース)の購読者は以下のリンク先から、ライブトークで用いたパワーポイントのスライドの一部をPDF化したファイルをダウンロードすることができます。

 「全体スライド」
 「タックスヘイブンとは?」
 「この10年の取材・報道」
 「非営利組織による報道」
 「大きな反響」
 「内部告発者保護への動き」
 「報道する側の重い責任」

 法と経済のジャーナル(AJ)は朝日新聞社のインターネット新聞(ニュースサイト)として2010年7月21日に原稿の発信を始め、今年6月1日、朝日新聞社の言論サイト「論座」の下に引っ越しました。AJの創刊11周年と論座への合流を記念して、インターネット上で記者イベントを毎月開催することにしました。その第4回となったのがこの10月20日夜の本イベントでした。

 論座AJのオンライン記者イベントは「論座AJライブトーク」として、今後も来年(2022年)3月まで月1回、毎月第3水曜日夜に開いていく予定です。第5回は11月17日(水)午後7時から「大和銀行NY支店巨額損失事件の教訓を学ぶ」と題して開催する予定です。参加のお申し込みはこちらのサイトで:https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11006088

 以下の動画は、パナマ文書、パンドラ文書など租税回避地の秘密ファイルに関する10月20日夜のライブトークを収録したビデオの後半です。論座(全ジャンルパック)もしくは朝日新聞デジタル(プレミアムコース、ダブルコース)ご購読の上でご覧く

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