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公文書管理とガバナンス 日米比較 ライブトーク動画


 朝日新聞社の言論サイト「論座」と「法と経済のジャーナル AJ」の編集部は1月19日(水)夜、「公文書管理とガバナンス 日米比較」「米国立公文書館を使ってみて感じたこと学んだこと」と題して、インターネット上でトークライブを開催しました。朝日新聞の奥山俊宏編集委員とジャーナリストの村山治さんが語りました。751人の参加申し込みがあり、402人が実際に参加し、後半ではズームのQ&A機能を用い、質疑を交わしました。その模様を録画したビデオのうち、前半がこの原稿の冒頭に掲載しました動画です。後半の動画はこの原稿の末尾にパワーポイントスライドのPDFファイルとともに掲載しています。

不祥事対処を日米で比較

 公文書や政府機関の記録に関する不祥事が相次いでいます。中でも、財務省が森友学園との土地取引に関する決裁文書を改ざんし、国会でウソを言い続けた問題が明るみに出たのは衝撃的で、安倍政権は2018年7月、公文書不祥事の再発防止策をまとめました。しかし、それは、問題の根幹にメスを入れず、小手先の対策を並べたものでした。▽「保存期間1年未満」の乱用▽保存や公開を免れるための「個人メモ」化▽電子メールの自動廃棄▽不十分な監視・監督体制――などの問題点が再三指摘されてきたにもかかわらず、そうした問題点はなお是正されていません。公務員らが重要な公文書を「個人資料」「手控え」などと主張し、法規制を免れている実態も是正されていません。

 論座AJでは、公文書管理の問題について、これまで様々な原稿を掲載してきています。

 財務省の福田元次官メール廃棄に総務省審査会「遺憾」、不開示決定の記載も「適切さ欠く」

 総務省審査会「財務省の対応で審議に多大な支障」、不開示決定取り消し答申

 防衛省職員があたご航海長聴取メモを廃棄 情報公開請求受けた直後に 「個人的な走り書きだから」

 情報公開審査会が原子力機構に苦言「内部被ばく検査情報、開示に努めるべきだった」

 キヤノン偽装請負指導文書、厚労省が不開示取り消し一部開示

 海上保安庁、事件証拠ビデオ公開の前例、「国民への説明」と比較衡量

 後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態に関する報道

 米国立公文書館「漏洩40年の記念日に」国防総省秘密文書を全公開

 秘密解除 ロッキード事件

 44年前、田中角栄首相、真珠湾アリゾナ記念館献花を検討「地元の反応は?」

 企業にせよ官庁にせよ政党・政治団体にせよ、すべての組織は人間の営みの集積ですから、そこには必ず、欠陥や不備、過ちがあり、人間臭い不祥事があります。日本にせよ、アメリカにせよ、国は違えど、不祥事にはたいてい、似通った側面があります。しかし、日本とアメリカで大きく異なるのは、不祥事への社会の対応の感度と迅速さです。奥山記者と村山さんは長年、それらを取材してきました。その過程で気づいたことをこのライブトークで話しました。

 アメリカでは大きな不祥事が発覚するたびに法制度を大胆に改めることがよくあるのに対し、日本では小手先の運用によって対処しようとする傾向が強くあります。1月19日のライブトークでは、その代表例として、公文書の管理、不祥事対処の仕組みについて、日米の違いを説明しました。日本にとって参考になる学びが多々含まれていると考えたからです。

 事前の申し込みの際に、たとえば、次のようなご質問・ご意見が寄せられました。

 公文書の管理に関し、国民の知る権利の観点から十分に機能しているように思えない。政権交代などが少なく、政権党が恣意的に管理運営しているように思える。法制度として公文書管理委員会を独立性の強い、公取委のような組織にして監視を強めたらどうだろうか。今の与党は賛成しないだろうが。

 当日、チャット機能を通じ、たとえば、次のようなご意見が寄せられました。

 以前自治体の役所で情報公開所管部署にいたことがあります。今回森友事件で公文書の改竄や破棄などが中央省庁の一つである近畿財務局でおこったことに驚いています。
 行政処分に当たる事柄については機関決定しなければならないので文書を作成していないなどあり得ないことです。
 ましてや改竄や破棄など、内部通報制度がある以上、そのようなことが行われると後で発覚するリスクがあるのでなかなかできるものではないはずです。
 一体、近畿財務局はどのような組織風土なのか、隠蔽し通すことができるものかと?ずっと疑問に思ってしまいます。
 尤も誰かがリークしたりすれば、リーク元も不思議と発覚してしまうのですけど。

 論座(全ジャンルパック)もしくは朝日新聞デジタル(プレミアムコース、ダブルコース)の購読者は以下のリンク先から、ライブトークで用いたパワーポイントのスライドの一部をPDF化したファイルをダウンロードすることができます。

 全体スライド
 公文書管理のあるべき姿
 日本の財務省による電子メールの廃棄に関するスライド

 法と経済のジャーナル(AJ)は朝日新聞社のインターネット新聞(ニュースサイト)として2010年7月21日に原稿の発信を始め、2021年6月1日、朝日新聞社の言論サイト「論座」の下に引っ越しました。AJの創刊11周年と論座への合流を記念して、インターネット上で記者イベントを毎月開催することにしました。その第7回となるのがこの1月19日夜の本イベントでした。

 論座AJのオンライン記者イベントは「論座AJライブトーク」として、今後も2022年3月まで毎月第3水曜日夜に開いていく予定です。第8回は2月16日(水)午後7時から「東京電力『失敗の本質』を探る」「原発事故11年で分かってきたことを素材に」と題して開催する予定です。参加のお申し込みはこちらのサイトで:https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11006911

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 以下の動画は、公文書管理の日米比較に関する1月19日夜のライブトークを収録したビデオの後半です。論座(全ジャンルパック)もしくは朝日新聞デジタル(プレミアムコース、ダブルコース)ご購読の上でご覧く

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