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福島原発事故11年、東京電力「失敗の本質」を探るライブトーク動画


 朝日新聞社の言論サイト「論座」と「法と経済のジャーナル AJ」の編集部は2月16日(水)夜、「東京電力『失敗の本質』を探る」「原発事故11年で分かってきたことを素材に」と題して、インターネット上でトークライブを開催しました。朝日新聞の奥山俊宏編集委員が語り、ズームのQ&A機能を用いて参加者と質疑を交わしました。その模様を録画したビデオのうち、前半がこの原稿の冒頭に掲載しました動画です。後半の動画はご購読者向けにこの原稿の末尾に掲載しています。

なぜ今なお不十分だと批判されるのか

 2011年3月に東京電力の福島第一原発で炉心溶融事故が相次いで発生して間もなく11年となります。

 論座AJ(法と経済のジャーナル)では2011年3月15日以降、「東京電力本店からのリポート」を連日掲載し、以後、事故の教訓や東京電力の企業統治などに関する原稿を扱ってきています。昨年には「炉心溶融事故研究者」や「事故現場回想」などの企画記事を連載しました。

 この間、政府、国会、民間、学会などで事故の調査や検証にあたる有識者委員会が組織され、事故の原因を探る調査が様々に行われました。政府の原子力委員会は「我が国における原子力利用の閉塞を以前からもたらした、原子力関連機関に内在する本質的な課題」として、集団思考や集団浅慮、同調圧力、現状維持志向、必要な情報が適切に共有されない状況を指摘しました。

 しかし、事故発生10年を前に昨年2月に発刊された『福島原発事故10年検証委員会 民間事故調 最終報告書』は、「今も教訓が十分に汲み取られておらず、そのため対策も十分ではない現状にある」と断じています。論座AJ編集人の奥山編集委員は、民間事故調とその続編である福島原発事故10年検証委員会に加わり、この結論に関わっています。

 東京電力の柏崎刈羽原発でテロ対策の不備が放置されていた問題は昨年新たに判明しました。これを受けて実施された社内のアンケートに対し、原子力部門の社員の27%が「正直に物を言えない風土」を感じていると回答しています。同社は、これまで事故や不祥事のたびに繰り返し、組織風土・企業体質に問題があると批判されてきていますが、それの是正がなお果たされていない実情がうかがえます。

 2月16日夜のライブトークでは、奥山編集委員が、東京電力のこれまでの「失敗」の原因について種々の指摘を紹介し、同社に限らず、多くの組織の運営に資する教訓を探りました。279人の参加申し込みがあり、148人が実際に参加しました。

 参加者からは数多くの質問や意見が届きました。申込時に寄せられた質問の一つは次のような内容でした。

 大きな犠牲をうみだした東京電力の事故から私たちは学ばなければならないのに、次第に関心が薄れてきていました。この度の企画案内を読み、もう一度最初から学ぼうと思いました。真相を解明するプロセスで物がいえない組織風土が障害になっていると記載されていました。私はこれまでの経験から医療現場でも同じ状況があると感じています。なぜ真実をさらさないのか。自身のメンツや人間関係を失ってしまう恐怖を乗り越え、組織のことをおもんばかる気持ちとの折り合いをつけて、それぞれが語り合うことはできないのでしょうか。

 また当日、ズームのQ&A機能を用いて、

 IC(1号機の非常用復水器)が停止していることを正しく認識している人が「大変だ、ICが止まっているぞ」と大騒ぎしなかったことが不思議です。

など20の質問・意見が生で寄せられ、そのすべてに奥山編集委員からコメントしました。

 法と経済のジャーナル(AJ)は朝日新聞社のインターネット新聞(ニュースサイト)として2010年7月21日に原稿の発信を始め、2021年6月1日、朝日新聞社の言論サイト「論座」の下に引っ越しました。AJの創刊11周年と論座への合流を記念して、インターネット上で記者イベントを毎月開催することにしました。その第8回となるのがこの2月16日夜の本イベントでした。なお、これまでの論座AJライブトークの模様を収録した動画を論座でご覧いただくことができます。

 次回の論座AJライブトークは3月16日(水曜日)午後7時から「法と経済のジャーナル AJの12年を検証」「ネット時代の経済事件報道の試みの成果と今後を記者・編集者が語り合う」と題して開催する予定です。参加のお申し込みはこちらのサイトで:https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11007345

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 以下の動画は、東京電力福島原発事故に関する2月16日夜のライブトークを収録したビデオの後半です。論座(全ジャンルパック)もしくは朝日新聞デジタル(プレミアムコース、ダブルコース)ご購読の上でご覧く

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