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オリンパス内部通報訴訟の記録廃棄で元原告が最高裁に意見聴取を要請

奥山 俊宏

 精密機器メーカー、オリンパスの内部通報制度をめぐって同社の社員だった浜田正晴さん(62)が同社を相手に起こし、公益通報者保護法の改正の立案にも影響を与えた著名な訴訟の記録が東京地裁によって廃棄された問題で、浜田さんとその代理人だった中村雅人弁護士(元内閣府消費者委員会委員長代理)が3月8日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、最高裁が訴訟など事件記録の保存・廃棄のあり方について検討するために設けている有識者委員会に対し、意見を聴くよう要請したことを明らかにした。

拡大記者会見する浜田正晴さん(左)と中村雅人弁護士=3月8日午後零時46分、東京・霞が関で
 浜田さんらがオリンパスを相手取って起こした訴訟は2016年2月、和解で終結し、すべての主要新聞にその旨の報道記事が掲載された。訴訟記録の保存期間は通常5年だが、「史料又は参考資料となるべきもの」については、最高裁の規程で「保存期間満了の後も保存しなければならない」と特別保存が義務づけられている。

 浜田さんは

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筆者

奥山 俊宏

奥山 俊宏(おくやま・としひろ) 

 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。2013年から朝日新聞編集委員。2022年から上智大学教授(文学部新聞学科)。2023年から「Atta!」編集人。

 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。 「後世に引き継ぐべき著名・重要な訴訟記録が多数廃棄されていた実態とその是正の必要性を明らかにした一連の報道」でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞を受賞。

 そのほかの著書として『内部告発のケーススタディから読み解く組織の現実 改正公益通報者保護法で何が変わるのか』(朝日新聞出版、2022年4月)、『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)、『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。

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